井津建郎とアンコール小児病院
カンボジアでは1940年代以降、およそ800万個にものぼる地雷が埋ったままで、これまでに4万人を超える一般市民が死亡、あるいは負傷しています。今日でも被害は続き、野原で働き遊ぶ子供たちが犠牲となることも頻繁です。また、医療施設や医師の不足により、日本や欧米ではほとんどなくなった小児伝染病に苦しんでおり、幼児の死亡率は日本の数十倍とも言われています。
古代遺跡郡撮影のためにアンコール遺跡群に旅を重ねた井津建郎は、そこでカンボジアが直面する悲劇を目のあたりにし、1995年に有志とともに非営利団体フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(国境なき友人)を設立しました。世界中の3000人を越す方々のご協力のもと、1999年2月22日、アンコール小児病院はカンボジアの第三の都市・シャムリアップに完成しました。 以後<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー>は、アメリカと日本の共同事業として、<アンコール小児病院>の運営・維持管理にあたっています。
井津建郎について
井津建郎 (c) Karl Grobl井津建郎 は、1949年大阪に生まれました。東京の日本大学芸術学部で学んだ後、井津氏は渡米し1974年にはニューヨークに 井津建郎スタジオを設立しました。 彼は14 x 20インチサイズのネガによる プラチナ・プリントと言う技法を用い、 聖地や遺跡の写真撮影のため世界中を旅しています。
1993年から1996年にかけて井津氏は 「Light Over Ancient Angkor」と題する彼の写真作品制作のためにカンボジアを度々訪れました。そこで彼は戦争の爪痕を深く残した国において病気であったり、 怪我を負ったり、また 栄養失調で苦しむ子供達の姿を目の当たりにし、深く心を動かされたのでした。その地でとらえられた多くの写真作品や またカンボジアの古代遺跡から受けたインスピレーションに対して カンボジアへ何かの形でお返しをしたいという思いが膨らんできたのです。そして、井津氏はその遺跡のそばに小児病院を建設することを決意するに至りました。 Light Over Ancient Angkor 」(古代アンコールに射す光)の写真展が 日本、ロンドン、ニューヨーク、カナダ、そしてワシントンのナショナルギャラリーにて開催され、アンコール小児病院建設の資金源の一部となりました。それは多くの 支援者のネットワークを惹きつけ、 一個人の夢から救命という現実へ形を変え病院建設を成し遂げました。 また計画当初から14年間、毎年安定した資金源となっている写真オークションに作品を寄贈してくださる、世界数百人の写真家への感謝と、『アートは社会を変え得る』、というメッセージを込めて2008年にはフレンズセンターを開設することにつながり、多くのアーティストの優れた芸術が井津氏の人道的目的達成のためにどれほど貢献されたということも表明されました。
井津氏は、 フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーを1996年に設立し、世界中で6,000人を超す医療専門家、 篤志家、芸術家、友人達の支えにより1999年にアンコール小児病院は開院しました。 それ以来、アンコール小児病院 では800,000人以上の子供達の治療にあたり、12,000件を越す手術をし、何千人ものカンボジア人医療従事者に対して教育を行ってきました。そして、地方の保健センターの質を向上させることにも力を注いでいます。2010年には、心のこもった質の高い医療をさらにシェムリアップ州内で広めるために、ソト・ニコム 病院にアンコール小児病院のサテライトを開院しました。
井津氏は、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーUSAの名誉会長であり、USA,・JAPAN双方の理事会の理事でもあります。 彼は現在、井津 スタジオの共同経営者でもある由美子夫人と共にニューヨーク州北部に在住し、写真家として現在も活躍しています。 子供たちの治療、そしてカンボジアの医療再建という、彼とアンコール小児病院の使命を追求するために、井津氏はたびたびシェムリアップを訪れています。
フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーについて
日 本: 特定非営利活動法人として東京都に認証されています。
2011年8月より認定NPO法人として国税庁に認定されました。
米 国: ニューヨーク州政府社会奉仕課に非営利団体として正式登録され、
非課税が認可されています。(連邦登録番号:056594)
活動年表
1995年
9月 井津建郎の呼びかけで、NYにて<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー>創設。
1996年
5月 カンボジア保健省より、病院建設・運営、医療機器の輸入税免除の承認。
6月 <フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー>東京オフィス設立。
10月 米国IRSおよびNY社会奉仕課より非営利団体の認可がおりる。
1997年
9月 カンボジア政府と<アンコール小児病院建設・運営10ヵ年計画>契約調印。
11月 日本の(社)海外事業活動関連協議会から支援プロジェクトと認定される。
12月 TBS 『筑紫哲也ニュース23』ではじめて紹介され、視聴者からの多くの支援の声を受け<アンコール・フレンズ基金>設立。
1998年
4月 <アンコール小児病院>病院建設着工。
6月・9月 大阪MBS毎日放送 『MBSナウ』にて工事状況が紹介される。
10月 仮オフィスで地元カンボジア人スタッフの医療・看護・語学学習講座を開始。
11月 朝日新聞で紹介記事。
12月 NYにて写真オークション。以後毎年12月に写真オークションを開催。
1999年
2月 <アンコール小児病院>開院。
日本から医師1名(6ヵ月)、ボランティア2名を派遣。
3月 TBS『筑紫哲也ニュース23』に井津が出演。
NHK 『おはよう日本』出演。
MBS毎日放送『アンコールこども病院』放映。
3月から12月にかけて福岡、長崎、大坂、東京にて 講演会『おはよう日本カメラを通して見た生命』開催。
4月 大崎ゲートシティにて、TBS 共催チャリティ・オークションとトークショー開催。
同ホールにて、井津建郎写真展『石の記憶』と病院のパネル展を併催。
5月 入院病棟オープン、手術を開始。
カンボジア人医師、看護師が研修のため来日。
福岡和白病院などで外科医療研修を受ける。
2000年
2月 アンコール小児病院1周年の模様がTBS 『筑紫哲也ニュース23』で放送され、
筑紫哲也氏自ら現地を訪問取材、当日衛星生中継でカンボジアからレポート。
2月 フン・セン第一首相よりカンボジア王国医療貢献賞受賞。
4月 マレーシア・ペナン市のアドベンティスト病院で心臓外科手術の委託治療開始。
5月 集中治療室オープン。
地雷を踏み両足に重傷を負った患者を、顕微鏡下手術とリハビリのため、ハワイのシュライナーズ病院へ移送。
6月 (社)日本写真協会文化振興賞受賞。
8月 歯科治療開始。
清里フォトアートミュージアム5周年記念イベント『20世紀に捧げる音と映像のレクイエム』で井津のメッセージが紹介され、
支援を呼びかける。
12月 東京オフィスを<フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN>に名称変更。
2001年
1月 「国境なき医師団」および「ユニセフ」の要請により、アンロンベン保健センターでの医療教育を共同プロジェクトとして開始。
3月 大崎ゲートシティにて、<アンコール小児病院>活動報告会。
4月 地域医療支援、保健教育プロジェクト開始。
6月 秋篠宮両殿下<アンコール小児病院>ご訪問。
7月 東京工芸大学、津田塾大学にての井津建郎講演会等で、パネル展を併催。
9月 清里フォトアートミュージアムにて、チャリティ・コンサート開催 。
2002年
3月 大阪・東京・福岡にて、
<アンコール小児病院>開院3周年記念イベント開催。
ウォン・ウィン ツァンさん、リンクスによるコンサート、筑紫哲也氏、福岡政行氏、草野満代さん参加の
トークショー等を催し、支援を呼びかける。
9月 広島にて福岡政行氏のチャリティー講演会「できることからボランティア」開催。
10月 カンボジア政府と<地域医療支援、保健教育プロジェクト>運営10年計画契約調印。
2003年
2月 東京都に認証され、特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN設立。
6月 <アンコール小児病院 医療教育センター>開所。
8月 眼科治療開始。
11月 お台場ZeppTokyoにて<アンコール小児病院>支援イベント開催。
2004年
2月 <アンコール小児病院>開院5周年記念式典。
フン・セン首相を迎えての<医療教育センター>落成式。
聖路加国際病院にてパネル・写真展および報告会を行う。
8月 第16回 毎日国際交流賞(団体の部)受賞。
9月 訪問看護棟 落成。
2005年
1月 アンコール小児病院の医療部長と事務長が来日、福岡和白病院等で医療研修。
2月 東京・津田ホールでのシンポジウムに井津建郎が出席、会場ロビーにパネルを展示、支援を呼びかける。
7月 神戸で開催された「第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議」に参加のため、
カンボジア人医師と看護師の2名が来日し、カンボジアの現状を展示・発表。
あわせて福岡和白病院等で医療研修を行う。
7/8月 福岡アジア美術館の「大アンコールワット展」でアンコール小児病院のパネルを展示。
10月 清里フォトアートミュージアムにて、アンコール小児病院サポートプロジェクト2005開催 。
11月 脳随膜瘤患者の少年2名が来日、福岡和白病院で手術を受ける。
2006年
2月 フン・セン首相出席の開院7周年式典
福岡和白病院などでカンボジア人スタッフの医療研修
12月 クリントン元アメリカ大統領、アンコール小児病院訪問
2007年
6月7月 雨季にデング熱が大流行し、緊急支援を呼びかける
8月 福岡にて赤尾和美看護師の講演会開催
10月 TBS系列のドキュメンタリー「いのちの輝きスペシャル」で赤尾看護師が紹介される
11月 大崎ゲートシティにて、宮本敬文写真集「Gift to Children of Angkor」発売、
万里村ゆき子作CD「Footsteps for Tomorrow」発表記念チャリティイベント開催
2008年
6月 広尾・JICA地球ひろばにて、赤尾和美看護師講演会開催
ビジター施設 フレンズ・センター オープン
2009年
2月 日本とアメリカの支援者を迎え、開院10周年式典
7月 経済危機による緊急支援を呼び掛ける
11月 JICA地球広場にてアンコール小児病院開院10周年イベント開催
2010年
2月 ソトニコム郡立病院内に、アンコール小児病院のサテライト病院第1号を開院
6月 聖路加看護大学にてトークイベント開催
10月 第一生命保健文化賞受賞
12月 チャリティーイベント「聖なる夜の贈りもの」開催
雑誌・新聞掲載
工事中です。
受賞歴
団体受賞歴
2000年 社団法人日本写真協会 文化振興賞 受賞
2006年 第8回 毎日国際交流賞 団体の部 受賞
2010年 第62回 第一生命保健文化賞 受賞








