2013年 4月版 創刊号

前回の出来事では「アンコール小児病院」の自立のニュースをお知らせすることができましたこと、大変嬉しく未だ感慨に浸っております。そして、今回から新たにこの出来事の紙面をフレンズの新プロジェクトのご報告の場とさせていただきます。

今回は創刊スペシャルとして、ラオスの小児医療支援プロジェクト開始までの経過を、視察内容を中心にお知らせいたします。






“ぶ~ん”とうなりながら飛ぶ小さなプロペラ機で、山の景色の中を降り立ちました。カンボジアの平坦な地形を見慣れていたので、久しぶりの山の風景に新鮮さを感じながらの初ラオス上陸でした。








最初の視察は今からちょうど1年前でした。首都ビエンチャンのマホソット国立病院(写真上)を訪問し、まずは国の中心となる医療の現状を学びました。そしてラオスの子どもたちにはどんなソーシャルサポートが利用可能なのだろうかと、“アフター スクール プロジェクト”(写真上 中央)、“自閉症子ども対象の学校”を訪問しました。どのプロジェクトもしっかりとしていて、色々な面でカンボジアよりも充実しているのかな・・・と感じた最初の訪問でした。








そして、道とは言えないような道を通って山越えをし、小さな村を訪ねました(写真上) 。そこには、家から100〜200メートルくらいしか離れていないところに新しい公立診療所があるにもかかわらず(写真上 下)、医療にかかったことがなく、ひっかき傷から黴菌が入り指が溶けてしまっている男の子がいました(写真上 中央)。 「あれ?……」と最初のイメージとは少々違うものを感じ始めました。








ある郡立病院を訪ねました。使われているのか…いないのか……。使われていたとしても、医療器具と施設の老朽化は予想以上のものでした。入院病棟は薄暗く(写真上)、もう何年も洗濯をしていないだろうと思われるリネンが使われており、血液の痕跡が残された分娩台(写真上 中央)や、乾燥した虫の死骸が入っている吸引器など、ここに来たら別の病気にかかってしまいそうな状況でした。また、19名のスタッフがいる病院での来院患者数の最高は11名だと聞いた時には、医療が医療として機能していないということが分かりました。医療施設はあるものの、使われていないのですね。








ある郡立病院を訪ねた時でした。こんな山道(写真上)を1時間半走ると、突然道路工事(写真中央)で全面通行止めでした。もちろん回り道などなく、3時間、ただひたすら待つしかありませんでした。「急病の患者さんが街の病院へ行こうとしたら……どうなるの?」と同行してくれた保健局のスタッフへ訊ねると、「ん~」と困った顔でした。いけないこと聞いちゃったかしら……と思いましたが、自然な質問ですよね。そして、やっと通行が可能となり、たどりついた郡立病院(写真上)。ここも施設や器具の老朽化が進んでいました。








やはりここに入院したら別の病気にかかってしまいそうな状況でした。ごみの処理もシンク(写真上、中央)も、今すぐにでも改善が必要です。医療スタッフは「やらない」のではなく、こういう状況がどんな影響を及ぼすのかということを認識していないだけなのです。ある郡立病院で「院内感染って知ってる?」と質問をした時に「知らない」と、その病院の院長が言っていました。そして、そんな医療へもアクセスの無い人たちがいると、この病院スタッフは話してくれました。「あの山の向こうの村は、一番近い医療施設まで歩いて5時間かかるのです」と言っていました。“ここにこそニーズがある!ニーズのあるところに支援は提供されるべき!”と実感しました。“あの山の向こうへ行ってみなくちゃ!!”ってことで、次回の視察はこの山向こうへ行こうと企画中です。







こうしてフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーは、このラオスに新たなプロジェクトを始めようと一致団結。新しいプロジェクト名は“ラオ・フレンズ小児病院” (写真上は新しいロゴ)として、時間をかけ色々と構想を練りました。結果、“病院をもう一軒!”などという大きなプロジェクトではなく、既存の県立病院の小児科病棟を充実させようということになりました。そして、アンコール小児病院と同様に国の医療教育の場として確立するために立ち上がりました!写真上は県立病院内の小児科病棟建築予定地。写真下は、測量の風景です。現在今年中の建築着工をめざし、政府との契約と設計図を詰めている段階です。




これから少しずつラオスの国のご紹介もしていきたいと思います。…と言う私自身もまだ知らないことばかりで勉強中です。今回はラオスのお正月をご紹介です。東南アジア諸国では、同じ時期にお正月があるようです。カンボジアは4月14日~16日でしたが、ラオスも同じで、ピー・マイ・ラオ(Pi Mai Lao)と言うそうです。そして日本ではカウントダウンをして、“新年になる瞬間”をみんなが注目していますが、ラオスでは「たぶん15日が元旦になるのかしら?でも、仏教のカレンダーでは16日ということなんですけど……。よく分からないです。」という回答がありました。面白いですね。

で、上の写真は、「お正月の写真を送ってちょうだい!」と頼んだら送られてきた写真。「ん?この美女がお正月?」と思いますよね?私もそう思いました。聞くところによると新年の恒例イベントとして“ミス・ルアンパバーン”というのがあるそうです。現代的なイメージのある美人コンテストですが、このイベントに関しては、古い歴史があるようです。候補者は“王様の7人の娘”と象徴され最終的に一人が選ばれるのだそうです。今年のミス・ルアンパバーンさん、とってもきれいですね。新年から美しいものを見ると1年がいい年になるような気もしますね。



ラオスやその他のフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーの活動を、皆様に知っていただける紙面として新たに始まった“出来事”です。「こんな話題を知らせて欲しい」「こんなことはどうなっているの?」という皆様からのリクエストは大歓迎です。皆様の知りたい情報が盛りだくさんの出来事を作っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 副代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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