2014年 7月 & 8月版

この2ヵ月は、新しいスタッフが増えた期間でした。たった1人だったスタッフが少しずつ増えていき、チームが生まれつつあることを実感しています。そして、それに伴い、活動も多様になってきました。今回は、建築の進捗、新規雇用スタッフ、ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)を多くの方に知ってもらうためのプロモーションイベント、HIV感染している女性のお話をお伝えいたします。まずはいつもの建築の進捗です。



病院の全景です

病院の全景写真です。前回に比べ、屋根ができているところが大きな進展です。遠目に見ると完成しているように見えるのですが、中に入ると、まだ空が見えたりしていて、スコールがあれば雨が吹き込んでくるのですけどね。とってもスローペースですし、時には2歩進んで1歩下がるようなこともありますが、確実に前進はしています!


外来診療室


入院病棟

“前進”は、段々と各部署がそれらしくなってきているところからも感じます。開院に向け、一番最初に完成を待っている外来や入院病棟。この中に立って、患者さんやスタッフがいる状況を想像し、「うん、うん」と納得している今日この頃です。


左端緑のシャツが創設者 井津建郎氏 熱弁中!

前回のこの紙面で新規雇用のための採用試験の様子をお知らせしましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?

その後、厳選な審査の結果、2名の医師と12名の看護師の雇用が決まりました。前回の採用試験では残念ながら雇用されなかったけれど、半年の英語クラスを受けて再度挑戦し今回は見事に合格した、という人も数名いました。努力している姿を見ると、こちらもやる気が出ますね。また、1回目の採用の時よりも若い年代の応募が多く、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(FWAB)のロゴ“新芽”の真髄を見た気がします。

ちょうどこの採用が決まった時、創設者の井津建郎がラオス滞在中だったので、FWAB設立の経緯、LFHCが目指していること等、井津から新スタッフに直接話す機会を設けました。採用者の中には新卒のスタッフもおり、全てが初めて。「団体の創設者??」と意味をつかむのにもしばしの時間が必要だったようで、目がキョロキョロしていました(笑)。そんな彼らが成長する姿を目を細めて眺めるような、おばあちゃん気分に浸りたいですね。


強力チーム!ジェニファー・ブラウン(左)とナリン(右)

訪問者対応の“フレンズ・ビジターセンター(FVC)”のラオス人スタッフと外国人スタッフも新たに仲間に加わりました。右がナリンさん、左がジェニファー・ブラウンさん。ジェニファーはアメリカ人ですが、首都ビエンチャンに長期滞在し旅行関係の仕事に関わった経験があります。ラオスのことも十分理解しており、PRの手法に関しても様々なアイディアを持っているスペシャリストです。ナリンはラオス人ですが、アメリカで2年ほど過ごし研修を受けたこともある有能なローカルスタッフです。LFHCの前職では他のNPOに勤務しており、NPOの運営についても理解しています。

現在、この2人はオープン間近のFVCの準備に追われています。建物の改装が少々遅れ気味ですが、週末返上で頑張っています。素敵なスペースになるといいですね。ひとつずつ完成していくこの喜びは、新しいプロジェクトを0から始めることの楽しみです。


オフィスワーク中のジェニファー看護部長

医療部門にも新しい外国人スタッフが着任しました。看護部長と臨床看護教育を担当してもらうアメリカ人のジェニファー・パーソンさん(たくさんのジェニファーがいます)。ジェニファーは、2007年にアンコール小児病院(AHC)の救急病棟でボランティアをしてくれた経緯があります。私も一緒に働きましたので気心も知れていますし、まず、FWABの目指すことを十分理解してくれているので、安心して重要な責任もお任せできます。早速、院内で使用するカルテや文書の作成にとりかかってくれています。

最低1年の契約でLFHCの立ち上げに貢献してもらいますが、海外からの赴任で長期滞在時に特に重要なのは、仕事の疲れを癒してくれる安住の場を見つけること。着任後はゲストハウスに滞在していましたが、本日からジェニファーの新居は私のご近所(お隣)になることが決まりました!







病院ができるまでにできるだけたくさんの人に病院のことを知っておいてもらいたい!そこで、8月23日〜25日のボート・レース・フェスティバルに合わせてLFHCのプロモーションブースを設け、パンフレットの配布、活動の写真展示をして、道行く人々に呼びかけました。

新規採用スタッフはこれがスタッフとしての最初のお仕事。1回目の雇用で採用されたスタッフはすっかり先輩になって、新人さんをナビゲートしていました。心強い!どんな病院なのかを知らないと説明ができないと、事前勉強をして臨んだこの日。病院ロゴ入りシャツを着ての活動で、チーム一員としての意識が高まったようです。


舗装されたきれいな道が増えてきています。


でも、まだこんな悪路もたくさんです。


少年たちの後ろ姿に生きる力を感じます。

AHCでは、病院の発展と共に、予測していなかった様々なニーズに合わせて新たなプロジェクトが追加されていきました。この紙面でも何度もお伝えしてきた訪問看護も、早い時期から始まった新たな活動でした。

その経験を活かして、LFHCでも同様のニーズの可能性を予測し、“アウトリーチプログラム”を病院本体の活動と並行する活動として計画に組み込んでいます。昨年11月からは、スタッフの雇用や建築、教育カリキュラムの作成などに時間がとられアウトリーチは後回しになっていましたが、外国人スタッフも増え、教育も始まって、そろそろ(いよいよ~!)準備開始です。この時をどれだけ待っていたか!(個人的感情がかなり入ってしまいますが…)

国が変われば状況もニーズも違うはずです。まずは、どんな形のアウトリーチがラオスに必要なのかを知るために、1週間かけて県内外の患者さん宅を訪問しました。県外への訪問は、ガタゴト悪路も含め2日間で1000キロ走破!をひたすら走る、走る、走る!





この1週間で見えてきたこと。予想通りカンボジアでの状況とは違うことが分かりました。左の写真にあるように、多くの家庭で電気や水が確保され、冷蔵庫やテレビ(我が家にはないのに~)がありました。住環境が整っていたらいい?…“そうではないな”と実感できたことが、この旅の大収穫でした。

たとえば左の写真のお母さんと坊や。HIVに感染していますが、250キロ離れたルアンパバーンが最寄りのHIVクリニックなのです。そして、この家族は差別を恐れ身内にも感染のことを内緒しています。感染のことをひたすら隠し続け、薬をきちんと服用し、定期的に通院することは想像以上のストレスです。この数日後に両親と坊やが病院へ来る予定になっていましたが、お母さんのみの来院。近所に住む親戚や学校には内緒にしてあるので、学校を休ませて診察に来ることが困難だったのですね。

お母さん自体も「ちょっと出てくる」と言って250キロの道のりをやってきたのですから、急いで帰らなければ!聞いただけで、しんどい。さて、この状況に何ができるのか…。もちろん1週間では全てを把握することは無理です。少しずつ観察し、的はずれではないプログラムの活動、方向性を確立していかねばと、頭がぐるぐる~です。







構成メンバーは40-45人程度で、先頭では船に全身で弾みをつけ漕ぐリズムを作り、後部は船全体を押し出すように、“エイサー、エイサー!”という感じで漕いでいました。

今回のラオス“あんなこんなミニ情報”は、ボート・レース・フェスティバルです。カンボジアのウォーター・フェスティバル(ボートレース)は11月に行われますが、ラオスは8月でした。知り合いがナムカン川沿いレストランに場所を確保していて、現地特派員としては図々しくもお仲間に入れていただき、写真をゲットです!色とりどりのチームカラーに身を包み、小気味よくオールを漕ぐ姿にホレボレ~でした。来年は病院のチームを作りたいですね。私は、先頭のリズムづくり役で絶対に出たいです!


接戦になると盛り上がりもすごいです。


この日のビール消費量はかなりだったことでしょう。


デング熱キャンペーンボートも時々出没!

新しいスタッフが少しずつ増え、“チーム力”構築の時です。今が肝心ですね。ここでボタンを掛け違えてしまうと後々まで大きな影響が出てしまいます。慎重に、そしてときには大胆にチーム力を上げられるような戦略を日々模索中。2月の開院時にピークを持って行かれるようにしたいものです。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 副代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


このページの先頭へ