2014年 9月 & 10月版

日々前進!その中で「この2ヵ月のキャッチフレーズは?」と聞かれたら、“人々の交流”ですね。院長の着任、アンコール小児病院(AHC)スタッフからの研修支援、ルアンパバーン・ハーフマラソンと日本からのツアー開催、患者自身のセルフサポートミーティング、ボランティアさんの活動などなど、様々な交流のイベントが目白押しでした。そんな交流の場面をご紹介いたしますが、やはり最初は恒例の建築進捗です。



病院の全景です

病院の全景も外壁がペイントされ、温かい印象になっています。
命が入ってきた感じですね。

建築現場へ行くたびに必ず時間をかけてチェックするお部屋が右の写真。実はここは、私が担当するアウトリーチプログラムのオフィスです!当初の予定では、このお隣のお部屋だったのですが、排水管の都合で急遽、採光たっぷりの角部屋になりました。プライバシーを守り患者さんやご家族とお話しができるようなスペースを作ってあります。密かに「ここに机を置いてぇ、棚はここだな。あ、いや!こっちの方がいいな!」と、ついお顔がにやけます。



アウトリーチプログラムオフィス

各お部屋の輪郭がしっかりとしてきて、いよいよ、内装と家具や付属品をイメージし、オーダーをする時期に入りました。上の写真は、実際に各部屋をひとつずつ回り、その検討をしているところです。「このあたりに机と椅子…何台くらい必要だろうか?」とか「埃がひどいこの国では、キャビネットはオープンになっていない形がいいし、位置を考えなければな…」、「靴はどこで脱ぐか?下駄箱が必要だな」、「棚の外注サイズを測ろう」などなど。詳細が決まってくると、完成が近づいていることを実感します。



図書館と教室

ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)の大黒柱、院長が決まりました!ジョナサン・スペクター医師です。9月1日から正式に院長としての活動を始めていますが、長期滞在は12月からになるので、その前に数週間ずつ2回の来ラオスです。

『まず、やらなければいけないのは』ということがたくさんあり過ぎて、困った困った。そして、スタッフも「このチャンスを逃すまい!」と次々にジョナサンを捕まえては質問、計画、アイディアのシャワーを浴びせていました。そんなお疲れの院長に「村へ行きましょ!」と言って悪路へ連れ出し、さらに頭を混乱させた私は、意地悪ナースでした(笑)



新スタッフにレクチャー中のジョナサン院長 


村の医療施設へも悪路を乗り越え足を運ぶ院長

フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーの最初のプロジェクトは、ご存じの通り、カンボジアのアンコール小児病院(AHC)です。私も15年働いた病院なので、開院当初からの成長を実際に目の当たりにするという貴重な経験をさせてもらいました。新しいLFHCのプロジェクトを始めて、AHCスタッフの成長を再認識しています。そこで、AHCで何もないところから積み上げてきた経験を持つAHCスタッフに、LFHCスタッフのトレーニングをお願いしました。

どれもこれもが優先なのですが、まずは、その中でも特に早急な対応が必要なロジスティックとITへの“伝授”です。ロジスティック専門家のリアクセイ君(氏というべきなのでしょうが…どうしても私からすると「くん」なのです。あしからず)には、物品購入の流れや輸出入の流れなど、ロジスティックのシステム構築へのお手伝いをお願いし、IT専門家のソピアリー君には、院内におけるITサーバーセッティングと電子カルテの可能性などの調査のお手伝いをお願いしました。

1週間に満たない日数でしたが、彼らの力量に“じ~ん”としてしまうほど。素晴らしいです!LFHCスタッフもかなり刺激を受け、「いつかは自分たちもこうして教える立場になる」とやる気満々、業務も前進。一石二鳥でした!AHCとは姉妹プロジェクトとして今後も協力体制を継続する予定です。



AHCでロジスティック専門家のリアクセイ君


AHCでIT専門家のソピアリー君(左)とLFHC でIT担当スタッフのソムリット君(右)


≪ルアンパバーン・チャリティー・ハーフマラソン特集≫

なんといってもこの話題が一番大きな“出来事”でしたね!10月12日(日)に第2回チャリティー・ハーフマラソンが開催されました。この大会は、支援先となる団体や活動を決め、運営費を除いた全ての収益金がその団体へ寄付されます。そして今年の支援先にLFHCが選ばれました。病院の開院を控え、多くの方々にLFHCを知っていただくまたとないチャンスです。

そうなれば、やはりLFHCスタッフも何かの形でみんな参加しましょうと、『ランナー』、『救護班』、『水渡しボランティア』に分かれて参戦です!日頃走り慣れていないスタッフもみんな、『走る-歩く-走る-歩く-歩く-歩く-走る…』って感じで頑張っていました(笑)。日本とアメリカからフレンズの理事3名も21キロに参加し、みなさん完走!そして、私事ですが、初ハーフマラソンに挑戦し、完走です!いやらしいですが、嬉しいので自分の写真も載せちゃいます。








そして、このマラソンに合わせて、ピースインツアーさんにご協力をいただき、日本からのツアーを組みました。走っても、走らず応援だけでも参加OKとし、現地合流組も合わせて念願のツアーを成立させることができました。ツアーご参加の皆さんには、観光に加え、病院の建築現場ご案内(写真下)、プロジェクトの進捗説明、ランチを取りながら現地スタッフとの交流、そして、もちろんマラソンへの参加(応援も含め)をしていただきました。

ツアーにご参加いただいた茂木さん(写真上)、なんと女子7㎞で優勝!「母へのお土産ができました~!」と喜んでいました。すごいですね!ツアーご参加の皆さんからは、「楽しかった」という声をたくさんいただき、今後もチャンスがあればラオスへのツアーを企画できたらいいなと思っております。






医療スタッフとオフィススタッフは、これまであまり一緒に活動をする機会がありませんでしたが、今回がLFHC両部署最初の共同イベントとなりました。みんな一致団結!スタッフ間の交流にも一役買った機会でした。

さらに、日本からのツアーグループには東京事務局スタッフの杉本もみなさんのご案内役、兼スーパーカメラマンとして同行し、活躍してもらいました(ご苦労様!)。フレンズも現地LFHCも同じ目標を目指して日々活動していますが、東京とラオスではその距離が時々コミュニケーションの邪魔をします。今回のような東京事務局スタッフと現地ラオスのスタッフ交流のチャンスは、今後の活動をスムーズに進めていくためにも、重要な機会だったと思います。




医療スタッフとオフィススタッフ共同の初めてのイベント!


杉本(左)とプイちゃん(右)

今回のマラソンは前日から盛り上がっていました。フィリピン人男性ランナー(カルロ氏 写真右)が、LFHCのことを聞きつけ、個人でチャリティーランを計画。ラオスの首都ビエンチャンからルアンパバーンまでの385㎞ランにチャレンジし、その活動に賛同してくれる方からの寄付金を集めて、10月11日夕刻にルアンパバーンに到着したのです。

LFHCスタッフ総出でカルロ氏をお迎えし、カルロ氏からは寄付の贈呈がありました。カルロ氏は、「私は、走ることを愛する人間です。その自分の大好きな走ることを通して、社会に貢献していきたいのです」と語っていました。感動です。

マラソン大会は大盛況のうちに終了し、参加スタッフもそれぞれが大満足して終わりました。そして、チャリティーにより集まった寄付は、建築中の病院内薬局の建築費に充てられることになりました。ご協力いただいた皆さま、心より感謝いたします!




さて、次の“交流”は、セルフサポートミーティングでの交流でした。HIV感染症の人たちが集まって、互いの困っていることや経験したことをシェアする会です。30名以上の皆さんが集まり、午前中は参加者が自らの話をシェアしたり、それぞれの活動の報告をしたり、HIV感染症専門医のピチット医師(写真下)によるHIVのお薬のお話もありました。少し専門的ではありましたが、みんな真剣に聞いていました。

午後からは、エイズ啓蒙のシンボルである“レッドリボン”のイヤリング作成を行いました。リラックスして行う作業中には、午前中には話しきれなかった話が色々と出ていましたよ。ラオスの人たちは手先が器用な人が多い気がします。指導者を招いての講習会でしたが、すぐに要領をつかんで、お互いに「こうするとやりやすいわよ!」と教え合っていたようです(写真下)。たった2時間余りですが、たくさんのイヤリングができ上がりました。可愛いですよね(写真下)。




ピチット医師による薬のお話


イヤリングを作成中


完成した“レッドリボンイヤリング”

このミーティングは、4~5年前から別の団体により毎月1回の開催が行われていましたが、経費削減により今年は2ヵ月に1回となり、それも年内までの開催資金しか保証されていないということを聞きました。そこで、引き続きでLFHCが何らかの形でサポートすることはできないだろうかと、今回はLFHCが経費を負担しトライアルとして開催しました。単なる継続では意味がないので、これまでのミーティングの目的、成果、今後の可能性などを評価しました。

LFHCの活動はラオスの子どもへの医療支援となりますが、家族と共に過ごす子どもたちに安心・安全な生活の保証は欠かせません。『こういった作業により作成された品物がそんな家族の生活を支えるサポートになり得るかどうか』、『このミーティングに参加していない人、できない人たちはどういう状況なのか』というような課題がたくさん見えてきました。

また、中には子どもを連れてきている参加者もいましたが、感染している子もいればしていない子もいました。これまでは、感染に関わらず同行してきている子どもたちに対する活動はなかったようですが、ニーズがありそうです。まだはっきりと形になってはいませんが、このミーティングだけを考えても可能性が色々ある気がしています。


アンコール小児病院の開院1年後から毎年ボランティアをしてくださっている皆さんがいます。この紙面でも毎年取り上げていますが、日本からの美容師“髪切りボランティア軍団”です。フレンズがラオスへの新しいプロジェクトを立ち上げたことを聞きつけ、今年は「初ラオスで!」と10名の美容師さんがいらして、テーブルも鏡もない“サロン・オープンエア”で3日間の切りまくり、刈りまくりの日々を過ごしてくださいました。 




ひたすらチョキチョキ・バリバリ。無心!


眉間にシワ寄せて、緊張 (笑)


じーっと固まってました (笑)

こうしたボランティア活動にはアクシデントはつきものなのですが、今回もちょっとした(?)アクシデントがありました。雨季が終わったので遠方の村へも行けるだろうという予測のもと、予定した村へ行く途中、道に川ができていました(写真下)。

あらら…。Give-upかなと諦めかけた時、近くにいたトラックのドライバーさんが、交渉次第では乗せて行ってあげるよとオファー。ここまで来たら、チョイスはないですね。少々お高くつきましたが、お願いいたしました。…が、このトラック、家畜さんを載せるタイプですよね。ふふ。私たち、通りすがりの山羊や牛のみんなに白~い眼で見られながら、凸凹山道をひたすら揺られて(打ち身だらけでした!)数時間、やっと到着して1時間切りまくり、また同じ道を戻るという過酷な経験を、普段はオシャレな美容師さん方にさせてしまいました。ごめんなさい!来年は、もうちょっと過酷なコースを準備いたしますね~!











今月のラオス“あれこれ情報”は、ビールに合うおつまみ!マラソン準備で“みんなご苦労様”と“マラソンイベントが成功に終わってホッとしたね”のために、週末の金曜日に簡単な打ち上げパーティーを企画しました。

ビールに合うラオスのおつまみ大集合!スタッフがバイクを飛ばして買い出しに行ってきてくれました。スジやレバーの串焼き、ラオヌードル2~3種類に、手作りポテトチップス(これ、最高!)、スパイシーなパパイヤサラダ、モツ焼きなどなど、ビールが進みます。もちろん“ビアラオ”です。素敵な夕焼けを見ながら美味しいものをいただき、疲れを癒しました。

さて、今晩は何をつまみにしようかな~?ふふ。



どれもこれも美味(^^♪

たくさんの“人々の交流”がありました。書ききれないです。プロジェクトが進行してくると、各方面に渡るつながりが広がってくるものだなということが実感されます。これからもどんどん広がるこのつながりが、ラオスの子どもたちの笑顔を作り出すことにつながっているのですね。そう思うと、ひとつのつながりも絶えないようにしたいという気持ちになりますね。これから開院までの3ヵ月が正念場(といつも言っているような気もしますが…)です。しっかりと地盤を作らねば!


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 副代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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