2014年 11月 & 12月版

2月11日の開院までのカウントダウンを始めました。その日数を見たらみんな一斉に「うわぁ~!」と既に焦っている気持ちがさらに焦る。焦る気持ちが空回りしないよう、ひとつひとつをこなしている日々です。今回は、日本国内では年に1度の大きなイベントが開催され、教育では外部からのプログラムにスタッフが参加するなど、多様で、かつ活発な毎日でした。今回はアンコール小児病院(AHC)のスタッフのお話も少々お伝えしようと思います。目が回るとはまさにこういうことですね。最初は恒例、建築の進捗です。



病院の全景です

全景は前回の10月の写真とあまり変わっていないように見えますが、この2か月は内部の進行が目覚ましいです。

建築も後半になり、内装が進んでいます。開始当初は、「ここは何だっけ?」と何度も聞きながらの建築現場での会話でしたが、内装が進むと段々とその中で働くことが想像しやすくなってきて、距離感や動線が見えてきます。そうなると、次々に詳細のニーズが出てきてしまい、仕事は増えるばかり。この時期にしか味わえないバタバタ感ですね。


ICU(集中治療室)に壁ができました


外来の待合所にもタイルが入りました

8月から慌ただしく始まったスタッフの教育プログラムも徐々に波に乗ってきたところで、外部からの教育プログラムも単発で導入することにしました。その教育プログラムを提供しているのは、Health Leadership International (HLI) (http://healthleadershipinternational.blogspot.com) というアメリカに基盤をもつNGOです。HLI は、毎年10月から11月にかけルアンパバーン・ヘルスサイエンスカレッジの学生さんへ医療教育プログラムを提供しています。昨年の11月に偶然HLIのメンバーである医師と出会うチャンスに恵まれ、協調関係を進める合意をしました。

HLIとの協力体制により、ラオスの医療の向上を目指すことを目的に毎年開催している学生対象の教育プログラムへ、ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)のスタッフが参加することになりました。今年は10月29日から約1か月に渡る“パッケージトレーニング”が開催され、問診の取り方、縫合の仕方、救急蘇生など多様かつ即戦力につながる充実した内容でした。参加したLFHCスタッフも違う環境での学習を楽しみながらのお勉強でした。

偶然の出会いから始まったHLIとLFHCのつながりが、その1年後にこのような形にすることができたのは、ひとつの達成感を感じますね。さらに両団体間では、ギブ・アンド・テイクの関係を築きたいと、LFHCのスタッフが通訳としてこのトレーニングに貢献しました。今後は、他団体とも同様にネットワークを構築し、相互成長していけれたらよいなと思います。


学生さんと合同での大人数のクラスでした

ラオスで本腰を入れての活動は1年を迎えます。ラオス人スタッフを雇用し、フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(FWAB)が目指すことを日々伝えてはいても、伝えきれないことが多々あります。う~ん、もどかしい。そこで、『百聞は一見に如かず』!1週間の研修受け入れをAHCへお願いしました。FWABが15年かけて作り上げLFHCが目標とするAHCを実際に見て、聞いて、感じて“ラオスで自分たちがすべきことは何か”を実感してもらいたいということです。

1週間の研修を終え戻ってきたスタッフ2名は、「すごいです」と。単に“すごい”だけで終わらぬよう、学んだことをまとめて発表してもらうことにしました。そして、こういう時にAHCスタッフの成長を感じますね。日々の多忙な業務の中、外部からの研修者を受け入れるミッションを的確に遂行し、持っているすべてをシェアしようとするおおらかな体制には、感謝の言葉を尽くしきれません。ありがとう!


AHCスタッフへ感謝!(左手前がソムリット君)


アウトリーチ活動に参加したピークちゃん(写真中央)


ヘルスセンター訪問時のピークちゃん

教育のお話が続きますが、LFHCに新しい英語の先生が来ました。オーストラリアからのアシュリーさん。ラオスへは以前に観光で1回、英語の先生のボランティアとして1回来ており、ラオス経験も豊富です。とっても優しい物腰で、スタッフも嬉しそうです。教材作りにもとても熱心で、生徒が興味を持ちそうな題材、方法を駆使してくれています。きっとこういう先生の元でお勉強するとモチベーションも上がるし、上達も早いのだろうなって思います。 …と、激しく自己反省。人間性格はなかなか変わりませんが、優しい先生にならなくちゃ、という努力はしようと心に強く誓う今日この頃です。


優しい笑顔のアシュリー


生徒とも同じ目線で

《AAA (Act Against AIDS) イベント特集》

12月1日は『世界エイズデー』です。1年に1回はみんなでエイズのことを考えましょうという日。その世界エイズデーにちなんで音楽業界が中心となって22年間継続して行っているのが、AAA (Act Against AIDS) イベントです。所属するアーティストの皆さんがグループに分かれてユニークなイベントを開催しています。

AAAの中でも岸谷五朗さん、寺脇康文さん率いるTHE VARIETYのアーティストの皆さんは、毎年武道館でチャリティイベントを開催し、HIV感染症の子どもたちへの支援をしています。そして、2012年のチャリティー分からは、LFHCへご支援をしていただけることになり、初年度はLFHCの入院病棟とアウトリーチプログラムオフィスの建築費をカバーすることができました。

今後の継続支援検討のために、10月にはアミューズから視察団がラオスへ訪れ、建築の進行状況や活動の内容をお見せする機会をいただきました。12月1日に開催された武道館チャリティイベントでは、FWABジャパンスタッフも観客席から参加者の皆さんを応援!すっかり仕事を忘れて楽しんでしまいました。素晴らしいアーティストの皆さんのお写真を掲載できないのが残念ですが、ホント、気持ちが熱くなりました!


武道館へ行ったという証拠写真です!

FWABは、3年前からこのAAA イベントの青森版に関わらせていただいており、青森出身の女性2人のユニットシンガーグループ『サエラ』さんとご一緒させていただいています。これまでに八戸、弘前でイベントが開催されましたが、今年はサエラさんの出身地である五所川原での開催でした。東京から飛行機で青森空港へ飛び、機内では爆睡していましたが、着陸の大きな振動でびっくり目が覚め、外の一面真っ白な雪景色に2度びっくり。そして、外へ出ての猛吹雪に3度目のビックリ!

開催場所は空港から車で40~50分の五所川原第一中学校。対象は3年生男女合わせて250名。AAA の歴史でも中学校でのイベント開催は初めてのことだそうで、私もこれまでの単なる“感染予防”というよりは、『エイズデーにエイズのことだけではなく、命について、毎日生き残り今を生きていることの貴重さ』というようなメッセージを伝えました。なんとなく生きていることに気づきもしないで大人になってしまうことは、自分も含め多々あることだろうと思います。中学3年生という多感な時期に、少しでも“命”を考えるチャンスになってほしいなと思いました。

イベントは2部制で前半に私の話、後半はサエラさんが心も体も洗われるような素晴らしい歌を披露してくださいました。仕事を忘れてうっとり~として聴き入ってしまいました。そんな素晴らしい歌声が、受験前の中学生の心と頭を柔らかくしてくれたように思います。


空港一面真っ白!


250名の学生さんと最前列にサエラさんお2人に囲まれて、私


あっという間の2014年でした。そして、2015年が始まり、2月にはラオ・フレンズ小児病院が開院します。ゆっくりですが着実に前進している実感と、いよいよ始まるという緊張感、ドキドキが日に日に募ってきています。次回のこの紙面では、開院式典、そして、実際に患者さんを診察している様子をお伝えできるかと思います。お楽しみに。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 副代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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