2015年 5月 & 6月

ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)入院病棟オープンへ向けての準備も着々と進んでいる様子や、スキル向上のためのクラス、チームワーク構築のためのイベントなどの話題を中心にお知らせいたします。

LFHCの外来がオープンして5か月が経ちました。6月末現在で合計4,684名の患者さんが診療を受けました。1日平均44名ですが、時には80名を超える患者さんが来た日もあります。 合計受診者のうち約3%が入院を要する重症例で、隣接する県立病院へ移送しました。 1日も早く自らの手で入院患者さんも診療したいとみんなが思っています。夏くらいの入院病棟オープンを目指して、着々と準備が進んでいます。ワクワク!



待ちに待った医療サプライが届いた!



今現在の入院病棟が、数か月後にどうなるか!?


入院病棟をオープンするには、スタッフのスキルの向上も不可欠です。これからはLFHC内で全ての対応をしなければなりません。「うわぁ…」という声がラオス人スタッフからも聞こえてきそうですが、もちろんしっかりとスキルアップのトレーニングも行い、自信を持って患者さんを受け入れられるようになっています。

そのトレーニングのひとつが、患者さんの緊急度のアセスメントと処置を習得する『ETAT (Triage Assessment and Treatment)』トレーニングです。実践さながらのお勉強に「きゃ~」とか「わ~!」という楽しそうな声も聞こえてきましたよ。


骨髄内の注射を、鶏もも肉を使って練習!



外国人スタッフは、点滴挿入練習のいけにえに!



点滴針挿入実験台で絆創膏だらけに!


入院患者さんを受け入れるようになれば、レントゲンや検査科も今よりさらに忙しくなるはずです。それぞれの部署にボランティアさんが来てラオス人スタッフと働きながらの手ほどきです。

レントゲン科にはRAD-AIDというアメリカのグループから3名(レントゲン技師さん2名と放射線科ドクター)がボランティアで来てくださいました。ラオス人スタッフからは、センチャン看護師がレントゲン技師としてのトレーニングを受けています。彼は、超音波にとても興味があるのだそうです。寡黙な彼ですが、一生懸命頑張っています!



レントゲン技師ボランティアのクリスティンが指導中



検査科チームのブンマーク(左)、ジョイ(中心)、ナタリー(右)


入院病棟の準備に寝る間もなくなってしまうほど大奮闘しているのが、新院長のシュリー医師。アフリカやパキスタンなど多くの国々でバラエティに富んだ経験を持ち、多岐にわたる知識、スキルをフルに使ってLFHCの発展に努めてくれています。

院長は院内のマネージメントが主な仕事になるのが通常ですが、シュリー医師は患者さんとの時間もしっかりと取り、走り回っています。今が土台作りにとても大事な時です。チームのトップとして、しばし頑張っていただきましょう!



ラオスのスカート、シンを新調してラオスに本腰



ETATトレーニングでもトレーナーとしてスタッフ指導 (右)


ルアンパバーンから○○キロほど離れたンゴイ郡の病院から、「管轄内に重症な栄養失調の子がいる。LFHCには訪問看護のプログラムがあると聞いたので、フォローアップをしてもらいたい」と連絡が入りました。ちょうど、その地域に別の患者さんがいたので立ち寄ったところ、ぽつんと無表情で床に座っているガリガリの女の子(?・・かどうかも分からなかった)がいました。体重を計ろうと抱っこすると明らかに高熱。それに体重はたったの5.5キロ。この年齢なら10キロ以上あるはずなのに。すぐに解熱剤を服用させて、そのまま病院へ直行+即入院。

この家族は、Tちゃんを含め3人の子どもとお爺ちゃん、お婆ちゃんの7人家族です。そして、お母さんは妊娠中(何か月なのか不明…だけど、もうじきだなと思うくらい大きなおなか!)。主にお爺ちゃんとお婆ちゃんがお米を作って生計を立てていますが、ご両親は、どちらも理解力が弱いのか社会性に欠けているのか、なかなか会話が成り立たないんです。

また、料理をしたことがないらしく、食料を提供しても作ることができない。これまでどうやってきたんだろう…。Tちゃん以外の子たちがこれまで生きてきたことが不思議なくらい。

入院中に生活習慣を身に付けてもらわなくちゃと、火の起こし方、料理の仕方、栄養のある食べ物の食べさせ方、手の洗い方、水浴びの仕方、洗濯の仕方…と色々と一緒にやりました。2か月に渡る院内の生活で、Tちゃんはふっくらとして、にっこりするようにもなってきました。

そこで気になっていたのはお母さんの出産。Tちゃん一家の民族は、風習として出産は妊婦さん一人でするのが基本なのだそうです。妊産婦検診をいくら勧めても、頑なにいかないと言っていたのです。ですから、自宅での出産のこともかなり気になっていたところで、そんな折りになんと!タイミングよく入院中にお母さんが院内で出産をしてくれたので、新生児のお世話も指導ができました。

ヘビースモーカーのご両親への指導も大変だったな。でも、なんとか禁煙の決意もしてくれました(いつまで続くかは疑問ですけど)。Tちゃんの体重も9キロになり、色々あった病気も完治して無事退院の日を迎えることができました。今後は、Tちゃんを紹介してきた病院との連携プレイです。地元で頻繁にフォローをしてもらい、LFHCでは月に1度のフォローをすることにしました。この状態がずっと継続されるよう、地域の連携システム作りには力をいれなければなりませんね!



5.5㎏しかなかったTちゃん(左)が、8㎏になって、ふっくら(右)。



最初に作った魚の干物のスープ・・・かな?



お父さんにも頑張ってもらいました。


院内で働くスタッフも少しずつ増えてきています。各部署がスムーズに連携して病院運営を効率的に行うには、やはりチームワークが必須です。チームワークの強化には・・・、お楽しみがあると一気に結束力が高まりますよね。そこで、様々な“チームワーク強化イベント”が行われました。まずは、ペタン大会(写真下)。

ラオス独特のゲームなのでしょうかね。こちらではとてもよく見かけます。2キロはあるかと思われる銀玉を標的の小さい銀玉に当てるゲーム。なぜか、私はこの“銀玉フルセット”を購入する羽目になり、家の中には12個の銀玉がごろごろしています。2チームに分かれて対戦するのですが、負けた方はビールを飲むという罰ゲーム。負けた方がよかったりして!(笑)



お次は、クリーニングデー+植樹祭+サッカーゲーム!小雨の降る中、病院の周囲をみんなでゴミ拾いしました。「やってみると意外にゴミが落ちてるね~」と、みんなびっくりしていました。意識をしないと気が付かないのでしょうね。ゴミ袋もあっという間にいっぱいになっていました。

そして、きれいになった駐車場の土手に植樹。マンゴー、ライチー、ロンガンなどの、果実の苗です。実がなるのが楽しみですね。


お掃除もみんなでやると楽しい!



誰が植えたのが一番に実をつけるかな?


サッカーゲームは隣接する県立病院VS LFHC!! なんと女子チームもあり、急きょLFHCも女子チームを結成して、先制点をとる大活躍!結果は引き分けでしたが、県立病院ともよい交流ができました。すでに「次回はいつにする?」という話も出ていましたよ。



LFHCチームは病院Tシャツがユニフォーム!


お次は“タレントショー”。日本語なら“演芸大会”とでも言いますかねぇ。
歌や楽器を披露したり、ゲームをしたり、みんなで盛り上がりました。日頃は院内で働いている場面しか知らないスタッフが、多才なことにびっくりです。ちゃんと審査員も選出して賞も作りました。これもまた2弾、3弾と続きそうです。



ドクターのギター&ナースとドクターのデュエット



総務課代表2名がデュエット!のりのり~



各受賞者が記念撮影


多才と言えば、これ!彫刻のようなスイカ!!総務部長のお誕生日に総務スタッフが作った大傑作です(写真下)!みんなお誕生日よりそっちへ目が行ってしまっていました(笑)
彼女は、LFHCで働く前にはホテルのシェフをしていたのだそうで、お料理の腕前も抜群! そして、私の誕生日には、看護部長のジェスがこんな素敵なケーキを作ってきてくれました(写真下)!お誕生日を祝ってもらうのは、いくつになってもうれしいものですね。



ろうそくが4本ってのが気に入り、なおさら美味しかった!





表だけじゃなくて、裏がまたすごい!


もう6月も終わってしまいました。時間が経つのは何と早いのでしょう。入院病棟の話も先のことだと思っていたら、数か月後に迫ってきました。救急やICU、手術室のオープンも、こうしてすぐにやってきてしまうのですね。慌てます!でも、ワクワクです!次回は入院病棟のオープンのお知らせができるといいですね。楽しみにしていてください。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 副代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


このページの先頭へ