2016年 3月 & 4月

前回はラオ・フレンズ小児病院(LFHC)開院1周年の話題をお伝えしましたが、あれからすでに2か月が過ぎてしまいました。時間が過ぎるのはなんと早いのでしょう。2ヶ月前は熱いおじやが美味しい季節だったのに、現在、日中は体感温度45℃にもなっております。そんな暑い暑いラオスから、熱いニュースをお届けいたします。

外来、入院病棟、救急病棟がオープンし、段々と病院らしくなってきました。そして、次に控えているのが、手術室です。もう少し早くオープンできるかと想定していましたが、まだ機材も十分そろっていないこと、他の部署でのケアが充実してからでないと術前後の管理に影響もあること、などの理由で、オープンを少し遅らせ、じっくりと準備を進めることになりました。

手術室は特殊な部署でもあります。そのため、専門スタッフの教育と併せて、少しずつオープンに向けて準備中です。麻酔科専門のナースになるためにアンコール小児病院(AHC)へ研修に行っているスタッフも、研修期間を延長してさらにたくさんのことを学び、数か月後には貢献してくれることを期待しています。



少しずつ機材が揃ってきている手術室



AHCで研修中のクーリー看護師


院内の新たな部署が開始されるのに加えて、色々な症例に対するケアが必要になってきました。人工肛門の患者さんが来れば、人工肛門に対するケアを学びます。麻痺のある患者さんが来れば、リハビリテーションに対するケアを学びます。そして、今、『緩和ケア』が新たな挑戦となっています。

進行性の骨肉腫の診断を受けた患者さんがいます。この病気はラオス国内での手術は不可能で、家族との話し合いの結果、『緩和ケア』を行う方針を決めました。痛み止めの種類が少なく、モルヒネも入手しにくいなど、痛みのコントロールは簡単ではありません。文化を尊重した心の癒し方はないか、家族も含めたアプローチをどうしたらいいのか、家族の意向と患者さんの意向が違う時はどう対応したらいいのか・・・・・一生懸命考えながら、向き合っています。『緩和ケア』は、ラオス人スタッフにとっては新たな概念であり、すべてが試行錯誤です。この患者さんには、週に1度の訪問看護で痛みのコントロールをしながら、少しでも楽しい時間、心地よい時間を作れるように頑張っています。



LFHCマスコットキャラクターのジャイディー
ジャイディーは「優しい」「温かい心」というような意味があります


この1年ちょっとの間に、院内の様々な部署と、色々な症例に対応できるような器を形作ってきました。ハード面ではまずまず。そして、ソフト面の充実も同時進行中です。ラオス人スタッフの教育は、フレンズの目指す現地化には欠かせません。2013年にLFHC立ち上げのためにラオス入りした時の想定外な発見は、英語を話せる人が少なかったことでした。スタッフを雇用する際のひとつの壁が、この英語でもありました。

しかし、スタッフの英語力の成長は病院施設の拡張と同様、大飛躍です!院内で違うシフトで働く全てのスタッフが英語教育を受けられるように、フレキシブルにスケジュールを作成してくれている英語のアシュリー先生(写真下)のおかげです。とっても優しいので、みんな英語を習いたいという気持ちが倍増するんですね。私のようにおっかないおばさん先生じゃきっと上達も遅いでしょうし、出席率激減だわねぇ。ふふ。

そして、フレンズのミッションである“Compassionate care”(心温まるケア)は、スタッフの成長に欠かせません。現時点でスタッフが温かくないということではないのですよ。一流の温かさを身に付ける、ということなのです。そして、その兆しが少しずつ見えてきました。下の写真にご注目ください。スタッフの良い一面を見つけた時は、見つけた人が「こんなことがありました。素敵!」というメモを掲示板に掲載するようにしました。可視化することで、言葉で聞く“Compassionate care”が、頭だけではなく身体に馴染んできます。1人から2人へ、そしてみんなに!これはいい感染です。もっともっとこの掲示板が埋め尽くされるように、私たちも頑張らねばです。



English! English! English!



たくさんの“ありがとう”を発見


手術室と同様、現在進行中のもうひとつのプロジェクトは、新生児治療室です。設計の段階では救急部門の一部を使用する構想があったのですが、新生児受け入れの数が予想以上に多かったことや、集中してケアを行うには新生児室は隔離された場所であることが望ましいという結論に達し、超音波と医療器械の保管室としていたお部屋を急遽新生児集中治療室へセッティングし直すことになりました。まだ器械も置かれておらず空っぽですが、少しずつ機器を揃え、スタッフの研修を積み重ねて、数か月後にはオープンできるのではないかと思います。すでに新生児の患者さんは来ていますが、この新生児室が整備されれば、より適切な環境で受け入れることができるようになります。院内での安全な治療とケア提供を目指して、また前進です。



まだ空っぽのお部屋です


さて、4月はラオスのお正月(Pi Mai Lao)です!盛り上がります、盛り上がります!『水かけ祭り』と言うがごとし、どこもかしこも水浸し。ちょっと買い物に行って戻ってきただけなのに、こんなにびっしょり(写真下)。そして、「負けてられるか。私もかけなくちゃ~」と街へ繰り出したものの、すごいお返しが来た~!(写真下) でも、みんなかけられた後に「カップチャイ(ありがとう)」って言うんですよ。悪いものを流して、いいものをかけてもらうということでしょうね。私も、かなり「カップチャイ」しました。はは!

Pi Maiが最高潮になるのは、パレードです。民族のグループや村からのグループなど衣装も色とりどりでそれだけでも楽しい気持ちになれますね。かわいいお猿さんチームも来てさらに和みました(写真下)。そして、この日はお坊さんも水かけの対象です。お坊さんに水かけして運をもらうという意味があるようです。びちゃびちゃですが、じーっと座っているところ、やはり修行のなせる業ですかね(写真下)。

パレードの最後は、今年のミスルアンパバーンが登場です。きれいですねぇ。うっとりします。みんなこの時は、見とれて水かけしてなかった気がします。ふふ。水かけ同様に浴びているのが、ビール。ご近所に呼ばれて行くと、ケースでビールがド~ンとありました。3日で7ケース以上だと言っていました。ひゃ~!



びっしょりのシャツ



かけられたら倍返し!(ちょっと古いですか?)



お猿さんのお面を付けているちびっこ軍団(写真小さいですが…)



お坊さんも水も滴る…?(失礼いたしました!)



ミス ルアンパバーン2016(これも写真が小さくて申し訳ありません。)



Beer! Beer! Beer!


この2か月もたくさんのことがありました。こうして思い返すと、1年前はまだギクシャクとしていたなと思います。水が段々と地面に浸透していくように、『日常』ができてきたように感じます。そんな時にちょうどいいタイミングでお正月があり、スタッフもリフレッシュしているようです。手術室と新生児集中治療室のオープンを控えて、みんながさらに忙しい日々となりますが、常に振り返れるような余裕を持って前進していきたいと思います。次回のこの紙面では、新しいマネージメントスタッフについてもお伝えできると思います。

今後もご支援のほど、よろしくお願いいたします。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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