2017年 9月 & 10月

フレンズは、医療・教育・予防の3本柱を基盤に活動を行っています。日々教育ですが、そのステップアップは飛躍的に進んでいます。ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)スタッフがお手本となる活動もちらほら出てきました。そして、その活動を可能にするのは、皆様からのご支援です。もちろん、私たち自身も病院運営のための資金集めに頑張っています。今回は、教育とチャリティイベントの話題がいっぱいです。



マネキンの赤ちゃんを使って指導中のカンマン看護師



机上で学んだあとに臨床へ



参加者全員が終了証をもらって無事終了


前回のこの紙面でお知らせしましたが、8月に、ポンサリー郡病院の看護師さんが2人、LFHCで新生児看護の指導者になるための研修を受けました。しかし、研修を終えたとは言っても、指導者としてはまだ新米です。そこで、LFHC新生児室看護師2人とオーストラリア人の新生児専門看護師で、ポンサリー郡病院へ助っ人に出向きました。ラオス人スタッフの堂々と指導する顔には自信がみなぎっています。入職当初のまごまごした姿はもうどこにもありません。1グループ8人で2日半の研修を2回行い、全員が終了証を受け取り無事に終了しました。受講したポンサリー郡病院スタッフもとても満足。仕事への意欲も向上したようです。教える方、教わった方双方が自信を持ち成長できるというのは教育の理想ですね。

院外の医療スタッフを指導するという新しいステップのチャンスが続いています。先日は、ルアンパバーン県の郡病院から4人の看護師が、2週間の小児科研修を受講するためLFHCに来ていました。これは、試験的な試みとして急遽、派遣が決まったものです。

2週間後、4人からのフィードバックはどれもポジティブなものばかりでした。また、指導する側となったLFHCスタッフには、指導者としての自覚が芽生えてきたように見受けられます。専門性を進めている院内スタッフの教育に併せて、今後はこうした院外の医療スタッフへの教育の場が増え、相乗効果が期待できますね!


LFHCスタッフのKanmanと郡病院からのスタッフKanmanyです。


開院当初から構想にあったプレイグラウンドが、やっと完成しました!設営に当たっては、隣接する県立病院との交渉から始まり、許可をもらい、そして着工。とても長い時間がかかってしまいました。県立病院から出た着工のための条件は、土手のようになっている原っぱに土盛りをして平らな状態にする、というもの。そのためにかさんでしまう時間と経費を考えると少々頭が痛い状況でしたが、完成後の子供たちの嬉しそうな顔を見たら、「良かった!」と心から思いました。

ご協力をいただいた皆様には、ラオスの子供たちに代わりお礼を申し上げます。盛り土をした地面には、やわらかい素材のタイルが敷き詰められ、転んでもいたくないよう施されています。毎日、子供たちの歓声が絶えません。(どう見ても近所から遊びに来ているだろう子たち多数・・・苦笑)



いつも賑やかなプレイグラウンドです


下の写真は、LFHCのキャラクター・ジャイディです。『ジャイディ』はラオス語で『優しい心』というニュアンス。フレンズのミッションである 「Compassionate care =心のこもったケア」を表現するために、開院当初にスタッフみんなの投票で決めたキャラクターと名前です。フレンズが大事にしていることをこのジャイディが、誰にでも分かるように表現していると実感します。ゆるキャラ大賞があったら絶対大賞取れるな、と思います(笑)。

先日、白血病の診断でLFHCでは治療ができないために首都ビエンチャンの専門病院へ転送した患者さんがいました。とても重症だったので、転送先でも手の施しようがないと言われ、治療はできないが院内にいるか、もしくはこのままルアンパバーンへ戻るかの選択を迫られたそうです。ご家族は、6時間もの道のりを戻ることを決意しました。朦朧とした状態のまま酸素を吸入しながら陸路で帰宅したそうです。そうして家に到着後10分足らずで、息を引き取ってしまったということでした。

LFHCでは、ビエンチャンへ転送した場合には、慣れない首都で困っていないか、ちゃんと病院へたどり着いたかということを電話でフォローアップしています。その時に残念な結果となったことを聞き、『家族のための癒し訪問』に出向きました。ご両親とお話した約1時間で、色々な思いを知ることができました。そして、少しは『喪失感』からの回復のお手伝いができたかもしれないと、同行したラオス人スタッフが感じてくれたようです。さらに、ご家族から「病院(LFHC)では、本当に良く診てもらえた。みんなとても気にかけてくれたことが忘れられない。ラオスで一番の病院だと思います」と感謝の言葉を聞いたスタッフは、何か確信を持ったようにさえ見えました。こうした一つ一つの出来事が、スタッフの成長とCompassionate careの定着につながっていくのだなと思います。ありがとう、ジャイディ!



病院のイベントにはいつもにこやかなジャイディが登場!


ここからは院内におけるファンドレイジングイベントのお話です。まずは今年で4回目を迎えた『ルアンパバーン チャリティ ハーフマラソン』です。毎年、その皮切りは、カルロスさんのチャリティランです。首都ビエンチャンからルアンパバーンまでの380キロを5日で走り、チャリティを募ってくださっています。今年は、約2万ドル(約180万円)が集まったとのことで、贈呈式を行いました。

毎年カルロスさんの勇士を見るたびにアドレナリンが出てしまい、「私も来年は挑戦したい!」と言ったりもするのですが、今年は7キロ完走でお恥ずかしい限り。カルロスさんはマラソンの前日にルアンパバーンに到着するように予定されているために、最終日は睡眠を削ってのランだったそうです。素晴らしいです!そして、今年も無事に到着したことにホッとしました。



手を挙げているのがカルロスさん



カンボジア当時からの友人も参加し、なんと21km男子で2位!
この2人、当人たちが知らぬ間に今年のマラソンプロモーションの
看板になった有名人(!?)


院内のスタッフは、働く人、走る人、ボランティアする人に分かれて、すべてのスタッフがこの日を成功に導いてくれました。こうしたイベントは、ファンドレイジングのみならず、チーム力アップ効果が抜群ですね。 当日は1,200人を超える各国からの参加者が集い、まさにフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーな 1日でした。来年もたくさんの方々がいらしてくれることを、スタッフ一同、今から楽しみにしています。



まだ暗いうちにスタートです。活気であふれていました



サイモン院長(一番のっぽさん)を隠し撮りして、この後追い抜きました!


マラソン前後に併せて、タイからの王室オーケストラによるチャリティコンサートと、ルアンパバーン初のGALAディナーが開催されました。オーケストラ(写真下)のきれいなクラシックミュージックにうっとり。世界的にも人気があるトトロの主題曲も演奏してくれて、子供たちも大喜びでした。このオーケストラのみなさんは、ルアンパバーン中心部にあるホテルと、GALAの会場、病院の待合所の3か所で演奏をしてくださり、すべての場所で聴衆を魅了していました。

GALAディナーは、どれくらいの方が参加してくださるのだろうかと心配していましたが、160名を超えるゲストが集まってくださり、オークションなどのプログラムもとても盛り上がりました。下の写真の男性は、ルアンパバーン県保健局長のアンポン医師です。ラオス人にはまだ馴染みのないオークションに、「リーダーがやらずと誰がやる!」と、率先して入札番号を上げてくださいました。嬉しいです!



ホテルのガーデンでの演奏風景



アンポン保健局長の初入札後のいい笑顔!


この数か月は日本でもイベントがありましたので、東京チャリティ・ガラディナーの話題もひとつ、お知らせいたします。 可愛いダンサーが、ラオスの伝統舞踊をお母様のマニさんと踊ってくださいました。大勢のゲストの前で堂々としたかわいらしい踊りに、ご来場のゲストのみなさんも大感激!お母様は日本在住のラオス人。国内でのラオスつながりが広がりつつあります。今後もよろしくお願いいたしますね!



ラオスは乾季に入り、しばし気温が下がる日々が続きましたが、この数週間は日中35℃を超える暑さになっています。異常気象の気配です。数年前にはこの時期に気温が一桁の日々が続き、防寒対応ができないラオスの家屋では、厳しい寒さを感じていました。村ではさらに寒さが身に沁みていたことだと思いますが、今年の暑さ、異常ではあるけど、村の人々にはちょっとホッとした気象かもしれないですね。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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