2018年 5月 & 6月

この度の『西日本豪雨』で被災された皆様へ謹んでお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 2か月はアッという間にやってきますね・・・と6回言ったら1年が終わると考えると、1年が早すぎます。特にこの数か月は、来院患者数の増加でどの部署も大忙しだったため、瞬く間に日々が過ぎて行きました。今回は、その来院患者数のご報告、ラオス人リーダー養成のための研修などを中心にお伝えいたします。 下のグラフは開院当初からの外来患者数を示したものです。1年目から各年ごとに棒グラフの色を変えてありますが、2018年の来院患者数を示す赤のグラフがびよーんと伸びているのがわかるかと思います。とにかく忙しいです。こんな時は、提供する医療の質が下がらないように特に注意を払います。




前述のように、院内業務は日に日に忙しくなってきています。そして、この状況でハイクオリティの医療ケアを安定して提供するには、ラオス人スタッフの成長が重要なキーとなります。開院以来、主にスタッフ一人一人が十分な知識とスキルを習得することに焦点を当ててきましたが、昨年からは少しずつ次のステップに取り掛かっています。それは、“個”を磨いた優秀なスタッフが、チームとして動けるようになること。チーム力強化に必要なのは、良いリーダーと、部署間のスムーズなコミュニケーション、効率の良い働き方、チームワークなどです。そのためにまず、昨年からリーダーシップ研修を始めました。 今年は、昨年受講した10人に対し受講後のフォローアップを行い、新たに14人のスタッフが受講しています。医療スタッフだけではなく事務スタッフも一緒に受講しているので、同じ院内で働く大きなチームであるという意識も高まったようです。昨年の受講者の中には既にリーダーとして責任を担っているスタッフもいますが、この研修の効果は如実に表れており、リーダーとしてのゆとりさえ感じられるようになりました。すごいです!そして、嬉しいです!


研修は座学だけではなく、『体感』できるようなグループワークも取り
入れられていました。コミュニケーションは重要なポイントなので、
たくさんの時間が費やされていました。




今回受講したカムサイ看護師は(上写真中央、下写真の講師)、通常の臨床業務に併せて、看護師教育担当として看護学生や院内スタッフへの教育も行っています。いつも物静かな彼ですが、教育をしている時には堂々としていて、また違った一面を見ることができました。スタッフの成長というのは、ある日突然気が付いたりすることが多いのですが、その瞬間の『お!』という感覚、心の周りにこびりついていたものがさらさら~っと消え落ちていくような感覚・・・いい感じなんです。

これからも、『お!』と『さらさら〜』をたくさん経験したいですね!



4月下旬からスタートしていたDevelopment Clinic (障がい児のためのクリニック)へのクラウドファンディングが、当初のゴールを大幅に超えて終了いたしました!6月30日が最終日でしたが、最後にまた多くの方々にご協力いただき、400万円まで到達することができたこと、驚きと嬉しさでいっぱいでした。

このクラウドに際しては、たくさんの方々が色々な形でご協力くださったおかげで達成できたのだということを実感し、心から感謝の気持ちをお伝えしたいです。達成後すぐに院内スタッフにもこの嬉しいニュースを伝えました。継続してクリニックを開催できること、啓蒙のためのビデオ作成ができることをとても喜び、さらに仕事へのモチベーションも上がったようです。

毎週火曜日のクリニック開催を重ねるたびに様々な患者さんとそのご家族に会い、スタッフ一人一人が色々なことを考え、このクリニックの存在意義を感じています。患者さんのご家族にも、障がいがあってもできることがあるのだと認識してもらうことができ、その “できること” が日常生活の中に組み込まれ始めた家族も増えてきました。このクリニックを、これからさらに改善・発展させ、継続していけるように頑張りたいと思います。


サイハー医師は、障がい児クリニックの担当医です



クリニックを担当するスタッフは、新しい用語を英語の先生に一生懸命習っています



アセスメントはじっくり時間をかけてやります。中には寝ちゃう子も。ふふ




ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)に新しい仲間が加わりました! 前任の戴理江の退職に伴い、対外交渉部長として5月に着任したのが、アナベラ・コリア・ザバラさんです。彼女は、ラテンアメリカやアジアの子供たちと女性の権利を支援する非営利団体でのスタッフ経験があります。2015年にはカンボジアでのボランティア活動に参加し、その後2017年にはバングラデシュで女性の就学をサポートする『Asian University for Women』でコーディネーターとして働いていました。

アナベラの主な業務は、ラオス国内でのネットワーク構築と、ルアンパバーン市街にある『フレンズギャラリー』の運営・管理です。また、ルアンパバーン・ハーフマラソンをはじめとするチャリティイベントの準備と開催も大きな役割の一つになります。笑顔が素敵なとてもチャーミングな女性ですから、対外交渉には最適ですね!活躍を期待します!!



こちらも新規雇用のソーシャルワーカー、サイポン君です。ソーシャルワーカーはこれまでなかったポジションですが、とてもニーズの高い業務であることが院内で頻繁に認識されるようになり、この度のサイポン君の雇用となりました。サイポン君は7人兄弟の末っ子です。ビエンチャンの大学でソーシャルワークを専攻し、2年前に卒業していましたが、働き口が見つからず、他の家族と一緒にお米を作る家業に携わっていました。

ルアンパバーンから北西に位置するオドムセイ県出身で、幼い頃から貧しい人々の生活を目の当たりにしてきたサイポン君は、そんな人々の生活を改善したいという気持ちがとても強くあったそうです。特に、貧しい人々にとって医療がとても遠い存在だと気付かされた経験が、彼をソーシャルワーカーへの道へと導いたのだといいます。

仕事を始めた当初は、英語に自信がなく、大丈夫だろうかと心配そうでしたが、最近は少し余裕が出てきたようです。写真からもその優しい人柄が伝わるのではないかと思いますが、とても穏やかで、ソーシャルワーカーは天職かもしれないですね!大変な仕事だけど、たくさんの患者さんと家族に接し、困っていることへのアドバイスをしたり、解決のための計画を立てていることがとても楽しいと言っていました。今では、初日の緊張したカチカチのサイポン君が懐かしいくらいです。これからバリバリ頑張ってもらいましょう!


ソーシャルワーカーとしての初めての仕事に、戸惑いと期待がいっぱいです!1年後、2年後の彼の成長が楽しみですね


6月1日は『世界子供の日』。小児病院ですから、やはり何か子供たちが喜びそうなイベントをしようと『子供の日イベント』を企画しました。

地元のテコンドークラブの子供たちが、その練習の成果を披露しに来てくれました。みんなとてもよく揃っていて、かけ声も元気です。入院している子供たちも真剣に見入っていました。これをチャンスに興味を持ち始める子もいたかもしれないですね。テコンドーの演技が終了した後は、ハンドペイントで壁に手形をペタペタ。こういう普段してはダメと言われていることを堂々とできるって嬉しいし、何より手の平に絵の具の冷たさやニュルニュル感を感じることは、脳への心地よい刺激になるのではないかと思います。大人だって気持ちがいいですものね!壁にはたくさんのかわいい手形がいっぱいできました。

病院スタッフは記念の植樹を行い、将来を担う子供たちとLFHCの発展を誓いました。臨床とマネージメントで大忙しの院長も、「よいこらしょ!」と穴を掘って植樹に参加しましたよ。そして、院内の子供たちやテコンドーを披露してくれた皆さんには、おやつやノートと鉛筆のセットをプレゼントとして配布しました。

このイベントがそこにいた子供たちを楽しい気持ちにしたり、新しい何かを発見することにつながったらよいなぁと思いました。病院スタッフもこのことをきっかけに、『compassionate care=心のこもったケア:すべての子供を自分の子供のようにケアする』というフレンズの使命を再認識してくれるといいな。きっと、してくれたはずです。


威勢の良い掛け声で元気いっぱい!



入院している子供たちも見とれていました



ハンドペイントで絵の具をぬりぬりの後は、壁にペッタンコ!





スタッフによる記念植樹



サイモン院長も老体?に鞭打って?植樹に参加


今年で19年目のヘアーボランティアさんが、今年もお越しくださいました!毎年7~8名のグループでLFHCのアウトリーチチームと共に村へ行き、子供たちの髪の毛を切りまくります。普段はエアコンが効いた素敵なサロンで髪の毛のケアを提供している皆さんですが、村では場所を選ぶわけにはいきません。学校の軒先や集会所に長椅子を並べてチョキチョキ!どこでもチョキチョキ!汗だくになって、数百人の子供たちと先生やご父兄の皆さんをさっぱりきれいにしました。最初はみんな「切らない」とか「見に来ただけ」とか言っているのですが、一人が素敵に仕上がるのを見ると、いきなり長蛇の列!ふふふ。かわいいです。

19年のお付き合いともなると、老後の話やら年金の話やら、年を積み重ねたなぁという味のある会話が増えてきました。『これからも一生のお付き合いになること間違いなし!』と改めて思いました。来年も再来年も、ずーっと、よろしくお願いいたしますね!


ワクワク!の顔(笑)



ドッキドッキ!でもきれいなお姉さんだから我慢!の顔(笑)



川をジャブジャブ渡って集会所へ





今の旬のお話と最近の我が家の新顔の話題を最後に。(^^♪



“旬”は、最近の楽しみであるマンゴスチンです。硬くて分厚い紫の皮に覆われた果物ですが、中にある白い果肉は、それはそれは、素敵なお味。甘酸っぱくてとてもいい香りです。味と香りをお届けできないのが残念・・・と、この時期はいつも書いているような気がします(笑)。東南アジアへお越しになることがあったら、ぜひ、お試しくださいね。



“我が家の話題”は、新顔わんこ。2週間不在にして自宅へ戻ると、人間なら小学生くらいの年頃と思われるブチわんこが、我が家のテラスで激しく落ち葉にじゃれついて遊んでいました。「ん?どこの子?」って聞く私の存在に気付くや否や、「あ!悪い人がいる!!」とばかりに「わんわん!」と私を威嚇するんです。よその家のわんこが我が家の番犬となっており、家主に威嚇する事態になっていたわけですね。

わはは!笑えます。 毎日吠えられている家主ですが、様子がおかしいぞ?と思い始めたのか、ちょっとだけしっぽが揺れています。うふふ。かわいいです。バタバタ振るようになるのも時間の問題かな。


この2か月もたくさんの出来事がありました。その中でも日本の災害はとても胸が痛む出来事でした。1日も早く日常の生活を取り戻せるようラオスからお祈りしております。遠くラオスから何もできずもどかしい気持ちですが、次回の『出来事』発行の頃には、皆さんが元気になっていたらいいなと思っています。


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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