2018年 11月 & 12月

皆様、明けましておめでとうございます。2018年もアッという間に過ぎました。2018年結びの2か月の出来事をご報告いたします。今回は、LFHC (ラオ・フレンズ小児病院)の姉妹病院でもある、カンボジアのAHC(アンコール小児病院)の話題も取り上げました。

FWAB (フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー)は、最初のプロジェクトとして1999年にカンボジアのシェムリアップにアンコール小児病院(AHC)を開院しました。現在のLFHCと同様に、現地のスタッフに心のこもったケアと質の高い医療を伝授。2013年には運営の権利を現地スタッフへ引き渡して、自立を果たしました。そして今、AHCスタッフは、妹分の病院であるLFHC の成長には欠かせない存在となっています。LFHCスタッフがAHCで研修を受けたり、AHCスタッフがLFHCに来てトレーニングを提供してくれたり、人材育成のために大きな貢献をしてくれているのです。

これまでにも、AHCから3人の麻酔科ナースや理学療法士がトレーナーとしてLFHCを訪れていますが、今回は、AHCのソーシャルワーカー部マネージャーのソピアリン君(写真下右端の青いシャツ)が、LFHCのアウトリーチスタッフのために2週間の研修を提供してくれました。このソピアリン君、経歴がすごい! AHCでは入院病棟ナース → ICUナース → ホームケアナース・HIV抗体検査カウンセラー → ホームケア部リーダー → ソーシャルワーカー部マネージャー → MSW(国際ソーシャルワーカー)取得。これだけでもすごいのですが、加えてITにも長けており、データ管理もしていました。

LFHCのアウトリーチ部には、データ管理・リーダー、ホームケアナース、ソーシャルワーカーの3名がおります。ということは、ソピアリンひとりで3人をトレーニングできてしまうというわけです!ひとり3役とはすばらしい。ここまで成長したスタッフを見るのは、やっぱりウルウルしちゃう。これ、歳のせいばかりではないですよね!



トレーニングは、小グループでのレクチャー、実際の臨床でのコーチングなどで、即戦力につながるように頑張ってくれました。穏やかな性格のソピアリンらしく、トレーニングも和やかに進みました。個々の弱点も冷静な目で判断して記録に残してくれたので、あとのフォローアップもやりやすいですね。素晴らしい!



同じゴールを目指す仲間という意識を高めてもらうには、一緒に食事を共にするのが一番です!みんなでディナーしながら、日ごろの愚痴やストレスも語り合って、盛り上がりました(私への愚痴もモリモリだったかも・・・ですね (;^_^A)


AHCスタッフによる研修のお話に引き続き、AHCスタッフの日本訪問についてご報 告します。



無事成田に到着!左からアムラ看護師、ピアクトラ看護師、ピエクトラ院長


この紙面でも何度か話題に上げているのですが、AHCは2013年にフレンズの運営の手から離れ自立を果たしました。しかし、日本からAHCへのご支援を継続してくださっている方々がまだたくさんおります。1年に1度、カンボジアからご報告とお礼をかねて来日するのが恒例となっており、今回は左の3人がやって来ました。いつもは九州地方が中心なのですが、今回は初めて関東へ。自立したとはいえ、かわいい我が子が初関東となれば、ついお世話したくなってしまう。親ばかですね。

ご支援くださっている方々へカンボジア人の顔を見せることで、遠くでの出来事を身近に感じ、より興味を持っていただけたようです。様々なコミュニケーションツールが開発されていますが、やはりどんな時にも、直接会うということは大事ですね。AHCスタッフも、ご支援いただいている皆さんにお会いすることで、つながりを強く感じたと喜んでいました。その気持ちを、カンボジアへ帰国後、他スタッフへ自ら伝えることが彼らの次の任務ですね。成長したな・・・と、またウルウル。



ちょっとだけ観光も!私も初スカイツリー(笑)



ご支援いただいている関連病院のうち5軒へ視察もかねてお礼訪問。
最新の技術にため息・・・


新しい仲間が参入です! まずは、看護部門。
看護部長のキャサリン(ケイト)・コリガン看護師と看護教育部長のリサ・アットマン看護師です。マット前看護部長とサラ前看護教育部長が任期を終えたため、新たにこのふたりが着任したというわけです。

リサは以前、LFHCでボランティアとして貢献してくれた経験があり、状況を把握しており、導入もスムーズ。ケイトは、かわいいワンちゃんを母国のアメリカから連れて来るほど、しっかりこの地に根付いて頑張ってくれそうです。

彼女たちからは、「フレンズのこの大きなプロジェクトの一部に関われることをとても嬉しく思います。そして、多くの可能性を秘めたスタッフたちの成長を実感できることを今から楽しみにしています!」とのことでした。



リサ看護教育部長(左)とケイト看護部長(右)


医師部門も新しいメンバーが着任しました。
クリス・サンダーソン前医療教育部長の離任後を引き継ぐラティ・グハダサン医師(写真下)です。ラティ医師は、フレンズの最初のプロジェクトであるAHCでも長年にわたり院内外の医療教育プロジェクトに貢献してくれていました。LFHC でも医療教育に関わっていただくので、AHCでの経験を大いに発揮してくれそうで、今から楽しみです。

ラティ医師からは、「たくさんの皆さんにご支援いただき、このプロジェクトが日々発展しゴールを目指すことができることに感謝です。そして、フレンズの新しいプロジェクトに関わることができて、とても嬉しくエキサイティングな気持ちです」というメッセージがありました。



オフィスで業務中のラティ医師


一緒に同じゴールを目指した慣れ親しんだ仲間が去っていくのはとても寂しいことですが、プロジェクトには新しい目とブレインが入ることも大事です。AHCでも同じことを経験し、寂しさと新しいステップへの期待感が入り混じった感覚を思い出す今日この頃です。

LFHCも4年目を迎え、新しい風を吹き込む時期に到達したのだなと思います。新しいメンバーがこれからの発展に貢献してくれそうで、とても力強いですね!次回のこの紙面では、新しい院長をご紹介することができると思います。管理部門の新しいメン バーを中心に、さらなる進歩を目指す2019年。乞うご期待!

病院のイメージはどうしてもネガティブになりやすいですね。そこで、楽しいことをいっぱい企画して、スタッフにも子供にも笑顔をと、いつも試行錯誤しています。12月はクリスマス。仏教の国ですから本来のクリスマスのイベントとは違いますが、1日だけ、クリスマスを楽しいことに拝借です。

LFHCのマスコット、ジャイディがサンタさんになって、院内の子供たちへ文房具のプレゼントを配りました。楽しいことにはスタッフも便乗!ジャイディがいつもいい仕事をしてくれますね!












ラオスでホテルビジネスを展開するアコーホテルグループが、病院で子供たちを楽しませるイベントとランチを提供してくださいました。アコーホテルグループはこれまでにも、病院のイベント等で様々な形のサポートをしてくださっています。今回は、“コミュニティのニーズに密着した活動をしよう” とする企画の第一弾。一緒に歌ったり遊んだり、子供たちの笑顔を見ればその効果のほどは一目瞭然ですね。みんながとても楽しい時間を過ごすことができました。そして、この活動は、院内にいる子供たちばかりではなく、日ごろストレスフルな環境の中で一生懸命働いているスタッフへの慰労も兼ねたものでしたので、スタッフも大喜びでした。こうした心使い、とても嬉しいですね!仕事への鋭気が養われました。




11月には、こんな方も病院をご訪問してくださいました!俳優の岸谷五朗さんです!
実は、毎年武道館で開催されている岸谷さん率いるチャリティイベントAct Against AIDS「THE VARIETY」から、2012年以降、その収益をフレンズにご支援いただいています。今回はその視察でお越しくださいました。「THE VARIETY」の発端は、1990年にさかのぼります。当時、岸谷さんがパーソナリティを務めるラジオ番組に届いた1通のお手紙には、HIVに感染した15歳の少女が偏見に苦しめられていた経験が書かれていたそうです。それを読んだ岸谷さんは、エイズのことを多くの方々に知ってもらいたいと考え、エンターテイメントの力を使って知識を広めようと、Act Against AIDS(AAA)を発足しました。

そして、1993年には「THE VARIETY」を立ち上げ、様々なジャンルのアーティストによるライブを作り、楽しくエイズについて知ってもらう活動をスタートしたということです。この活動を通じて、これまでに、ルーマニア、ユニセフへのご支援をされ、2012年からは、フレンズへご支援をいただいているというのが経緯です。
http://jaras-web.net/aaa-the-variety/



このような活動も2018年で26回目を迎え、エイズの状況もずいぶんと変化を遂げたことで、ひとつの節目の時となりました。2020年7月末にはAAA運営事務局はその活動を終了することが決まり、「THE VARIETY」のチャリティ活動の今後を見つめ直す時期が来ていました。今回の視察はそのための視察でしたので、私はかなり緊張いたしました。(^^; 帯状疱疹が出たほど(+_+)

視察では、全部を見ていただきたいと思いました。外来、入院病棟、障がい児クリニック、遺伝性の血液疾患サラセミアクリニック、HIV感染症外来、新しくスタートした新生児病棟。院内のみならず、悪路を何時間も走り訪問看護へも行きました。本当はもっとたやすい道のはずが予想以上に悪路で、少々焦りましたが(;^_^A)
患者さんだけではなく、ご家族ともお話をしていただき、現実を見ていただきました。かなりハードスケジュールで連れまわしてしまいましたが、大汗かきながら全ての行程をこなしてくださいました。そして、その間、岸谷さんとたくさんお話をさせていただき感じたのは、その真剣な思いでした。このチャリティにかける強い意志です。ゾゾゾーっとするくらいの真剣なパワーを感じました。

12月1日の世界エイズデーは、もちろん武道館の「THE VARIETY」です!視察の結果が気になりドキドキの観覧になりました。AAA報告の場面で、この度の視察について岸谷さんの口から語られ、ついには今後のお話へ。「THE VARIETY」のチャリティ活動は今後も継続し、2020年にAct Against Anything「THE VARIETY SHOW27」として開催する予定だと発表してくださいました!ホッとしました。あらためて、ラオスまで足を運んでくださった岸谷さんとスタッフの皆さんに感謝いたします。




悪路の先にあった村でシャボン玉を子供たちに教えてもらう(?笑)岸谷さん



私自慢の一枚!家宝にいたします!


日本の厚木県央ロータリークラブの皆さんがLFHCへご支援を開始してくださるにあたり、なんと、LFHCと日本をつないで例会を開催してくださいました!実は、今回のこの話が出た時に中心になって進めてくださっていたメンバーの髙澤氏が急逝されるという、とても悲しい出来事がありました。その遺志を他のメンバーの皆さんが引き継ぎ、どうしても成功させようと何度も事前の話し合いとテストを繰り返して、当日の実現に至ったのです。

ラオス訪問メンバーは、髙澤さんの写真を一緒に連れて来てくださいました。おそらく、天国の髙澤さんもここに参加し、見守ってくれたのでしょう。トラブルもなく、例会を無事に終えることができました。あまりにも急な死に私たちも動揺してしまいましたが、髙澤さんが作ってくださったこのつながりを大事にしていきたいと思います。

お越しいただいた皆様、ハードなスケジュールでの初ラオスでしたが、これに懲りず、ぜひまたお越しください!



今期会長の立脇孝二氏



色々なテクノロジーを駆使して準備に挑む皆さん。うまくいくかドキドキ!


最近のラオスの風景と季節のお話を最後に(^^♪
今年の雨季は雨がひときわ多く、土砂崩れも多かったため、訪問看護に行けない地域がいくつも発生。この地域も増水した川を渡ることができず、半年近く行くことができないでいた地域でした。遠くの山に土砂崩れの跡が見えますか?乾期は川の大きさが全く違いますし、空の青さもとびっきり。雨季と比べると、全く違う風景のようです。

大きな荷物を持ってボートに向かっているのは、訪問看護ナースのカンパくん。川を渡ってトラクターで1時間の村へ向かっているところです。電話も通じないその村には3人の患者さんがおり、ずっと気になっていました。3人のうち、ふたりはまずまずの状態。もうひとりは「うーん」と考えてしまうような状態になっていて、この国での訪問看護の難しさを実感しました。




新しい年が始まりました!
1年はアッという間で、日々起きるたくさんのことに気を取られているうち、変化や成長に気付かずに過ぎてしまうことがほとんどです。1年を終えた時にやっと振り返るチャンスがあり、その成長ぶりにびっくりしてしまうのです。今回も同様でした。AHCスタッフの成長ぶりを改めて実感。そして、それは同時に、LFHCスタッフもこのゴールに向かって日々成長しているんだな・・・と思う瞬間でもありました。今年も頑張ります!


  フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN 代表
  ラオ・フレンズ小児病院 看護師               赤尾 和美


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