赤尾看護師今月の報告 2010年 

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Healing Children. Healing Cambodia. SM

  赤尾和美アンコール小児病院看護師 
  「5月の出来事」


 今月は、悲しいお知らせからとなってしまいました。


カンボジアへのご支援を長年続けてこられた写真家の藤井秀樹氏が5月3日肝臓がんのためにお亡くなりになりました。
藤井氏は、学校法人日本写真芸術専門学校校長、社団法人日本広告写真家協会顧問、社団法人華道協会顧問と、多くの役職を担い、また、そのお忙しい傍ら、1999年から2007年までフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー理事として、 「愛と友情のアンコール小児病院」写真展や、写真集『Smile for Help』を出版し、その売り上げをAHCへご寄付くださるなど、ご尽力をいただきました。
理事をお辞めになった後も、写真学校の生徒さんを連れてのAHCご訪問は毎年の恒例行事で、「若い子たちにここで何かを見つけてもらいたいんだよね。自分の生活を振り返るチャンスを見つけてほしいんだよ」とおっしゃっていました。

昨年11月には、フレンズジャパンが東京・広尾のJICA地球ひろばで開催したイベントにも奥様とご一緒にご参加くださいました。
また12月には、恒例の学生さんツアーで病院を訪れて、車いすを寄贈してくださいました。
その車いすに座って、「まだ、こうなるには早いぞ〜」と皆さんを笑わせていたあのお元気な姿がまだ目に焼き付いていますので、今回の悲報に大変ショックを受けてしまいました。「また来年来るからね〜」と言って元気に手を振ってお帰りになったのに・・・

藤井氏のカンボジアへの思い入れはとても大きかったようです。
その思いがカンボジア人たちにも通じ、カンボジアの子供たちは「ター(おじいちゃん)!」と言って、いつの間にか藤井氏の周りにまとわりつき、じゃれついていたのを思い出します。
これからは、天国から見守ってくださることと思います。
カンボジアのお盆(9月)には、きっとカンボジア国内のどこかのお寺に顔をだしていることは間違いないでしょう。そう思いながら、私もお寺周りをして藤井氏への感謝の気持ちに手を合わせたいと思います。
フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー、アンコール小児病院スタッフ一同より、ご冥福をお祈りいたします。



 

AHCは現在12の孤児院へ食糧、スタッフ教育、定期健診などの支援をしています。昨日は190名の子供たちを受け入れている孤児院の定期検診でした。
医師3名、看護師7名、歯科衛生士1名、アシスタント1名総勢12名のチームで、1日がかりで全員の子供の検診を終えました。検診会場はどこを見ても子供だらけ!
生後数か月の赤ちゃんから二十歳くらいまでの子供たちであふれていました。

この孤児院へは半年ごとに検診に来ていますし、訪問看護でも2週間に1度は顔を見せているので、子供たちも慣れたものです。診療自体を怖がる子は一人もおらず、「診て診て〜」というように、くっついてきます。
激暑の中、扇風機もないお部屋で1日奮闘しましたが、子供たちからのエネルギーをいっぱい浴びたおかげで、疲労感は感じず、むしろ、元気になって帰ってきました。



  

以前この紙面上でご紹介したことのあるサムナン君を覚えていらっしゃるでしょうか?入院時には、1歳で3キロしかなかったサムナン君が回復し、孤児院で暮らすようになり、昨日また元気に走り回っている彼に会いました。
ちょっと大人っぽくなったでしょ?(写真右端)
お仕事している私たちにちょっかいを出すお茶目さん。孤児院のスタッフ、子供たちからいっぱいの愛情を受け、こんなに立派になったサムナン君を見て、思わず、目頭が熱くなってしまいました。
スタッフのみんなも経過を知っているので、思いは同じでした。



 

写真は、孤児院スタッフへの健康教育の風景です。今回のテーマは、B型肝炎とHIVです。孤児院によっては、こういった感染症にかかっていると受け入れてくれない所があります。自分に、もしくは他の子供へ移してしまうのではないかという恐怖心からという理由がほとんどです。
スタッフが正しい知識を持つことで、感染症への恐怖心をなくし、子供たちの受け入れ先の門を広げることができますし、院内でも差別されることなくのびのびと生活を送ることができるようになります。1度の教育で恐怖心が全てなくなることはありませんが、何度も繰り返し行うことで、少しずつの進歩を期待しています。



 

5月12日は世界看護師の日です。
どこの病院でも同様に、院内の職員で看護師の占める割合は一番高いもの。“看護師なくては、病院は成り立たない!”と、AHCでも看護師の意識を高めようと看護師の日を祝いました。
院長からは日ごろの過酷な労働にねぎらいの言葉があり、面倒なスピーチが終われば、ダンスタイムです。音楽が流れ出すと、我も我もと、盆踊りのように輪になって、踊っていました。
カンボジアでは、嬉しさ、楽しさを表現するにはダンスなのです。



 
季節の話題は、ハスの実です。
今が旬で、街の中では、こういったハスの実を3〜4本束にして売っています。繊維状になった房のようなところに薄緑の1〜2センチの実が埋もれているという感じです。そして、その薄緑の皮をむくと中から白い実がでてきまして、そこを食べます。生のまま食べるのですよ。
ピーナッツと生のトウモロコシを足して2で割ったような、あとを引く味です。このハスの実はイライラを抑え胃の働きを助ける効能があるそうですよ。
そして、下の写真はその実を空煎りして塩を振ったものです。香ばしくて、ビールのお供に最適です。
皆さんもイライラして、胃の調子が悪いな・・という時に食べてみてください。私、モリモリ食べないと!



5月の出来事でした。
今月は悲しい話題から始まってしまいましたが、天国から見守ってくださっている藤井氏の意思をついで、AHCもこれからも頑張っていかなければと思います。                       

アンコール小児病院
赤尾和美