今月の出来事 of 特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN

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2011年11・12月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「11月・12月の出来事」合併号

開院13年目を間近にして、100万人目の患者さんを迎えました! そして、毎日やって来る患者さんに少しでも質の良い医療を提供できるよう日々努力しているスタッフの話題を中心にお知らせいたします。


アンコール小児病院が開院したのは1999年1月です。
毎日やって来る患者さんの人数が、なんと100万人に達することが12月に予測されました。そして100万人目が来ると予想された12月20日には、ゲートに立つ警備員やその他のスタッフが門を入って来る患者さんの数を注意深く数え、6時半にその記念すべき100万人目の患者さんがAHCの門をくぐりました!
100万人目の患者さんのお母さんはAHCへ来た理由として、「AHCの治療をとても信用しているし、スタッフが優しく接してくれるから」と言っていました。
お母さんが話していることはとても単純かつ当然のことかもしれませんが、カンボジアではなかなか出会えない医療なのです。

kazu111201.jpg100万人目の患者さんとお母さん
このご家族は決して貧困に苦しんでいるとは思えません。お金を出せば、待つこともなく治療を受けられるところはたくさんある中で、1日かけて待ってもAHCの医療を受けたいと思ってくれたことは、それだけで価値があること。
私達が13年間追求し続けてきた“心のこもった質の高い医療の提供”が今、カンボジアの人々へ伝わり、多くの人々の信頼をうけることができたのだと思います。




kazu111202.jpgホー・ソクアン医師100万人の患者さんを迎えられたのは、AHCが人々との間に強い信頼関係を築くことができたことが大きな要因になっていると思います。 その信頼関係を築くために、日々AHCスタッフは努力をしています。

写真右のホー・ソクアン医師もその代表的なスタッフです。彼は2011年1月にAHCに雇用され、小児専門医師になるための3年トレーニング カリキュラムを開始しました。
その後、常に様々なトレーニングにおいてトップスコア-を保持し、先日行われた小児救急蘇生に関するトレーニングでも、100%の正答率で終了証を受け取ることができました。
今後もソクアン医師が努力を惜しまず、他のスタッフへも良い刺激となる存在でいてくれる事を心から望んでいます。これからがとても楽しみな人材ですね。


kazu111203.jpgプレゼンテーションずるパラ医師AHCの眼科医であるカヴ・パラ医師もソクアン医師同様、日々努力を惜しまず仕事に取り組む向上心のある医師の一人です。
この度、パラ医師は、SEVA財団主催による眼科医師会アニュアル会議(プノンペン開催)に招待され、AHCにおけるサイバーサイト・テレメディシン(インターネットを使い世界中にネットワークをめぐらす医療診断の手段)の有効性について、また眼科手術について発表を行いました。多くの参加者がAHCの功績を知り興味を持ってくださいました。
また、こうした彼のこれまでの功績がAHCを訪れた方々へも感動を与え、この度、韓国の財団のご支援により新たな眼科専門棟が建築され、先日完成しました。
新棟には眼科専門の手術室も設置され、より効率的に治療をすることができそうです。長期に渡り手術を待っている患者さんにとっては、この上ない朗報となりました。  



kazu111204.jpg堂々たるスピーチ!12月1日は”世界エイズデー“でした。毎年、カンボジアでもHIV/AIDSの啓蒙として政府機関が式典を開催しています。その式典でのスピーチの依頼が、AHCに入りました。シェムリアップで長期に渡り小児HIV感染症への取り組みをしているのが認められたということです。
AHCが小児HIV感染症の医療に動き出したのは、2000年のことでした。検査体制もなく、何をどうしたらよいのかもわからない状態で始まったその取り組みも12年の月日を経て、国をリードするほどにその体制を整えることができました。
現在、医師、看護師/カウンセラー、HIV感染症を持つアシスタントで構成される19名が運営にあたっており、抱える患者さんの人数も600名を超えています。働くスタッフにもHIVに関わる”スペシャリスト“としての自覚が芽生えています。
スピーチも立派なものでした!病院、他団体を代表して自らの使命を自信をもって述べている姿に・・・また、自分の子どもの成長を見ているようで、“うぅ・・”と来てしまいました。本当に嬉しい瞬間ですね。



kazu111205.jpg岡山後楽園RC土井氏のスピーチ岡山後楽園ロータリークラブと他兄弟5クラブ(台北東南6RCの代表としてスピーチする岡山後楽園RCの土井氏RC、ソウル・バンポRC、和歌山東南RC、福島中央RC、丸亀東RC)の皆さんが、共同事業として教育プログラムへ5年間の継続支援をしてくださっていましたが、今年で5年の区切りを迎えました。AHCでささやかなプロジェクト終了の式典を開催したいとのお申し出をいただき、各RCから代表の方がいらしてくださって、実際の現場も見ていただくことができました。そして、5年の一区切りはつきましたが、今後も教育へのご支援をご検討くださるとお約束してくださいました。
AHCの存在をユニークなものにしているのは、医療従事者の教育です。小さな病院が国全体の医療レベルアップを目指す“地味ででっかいプロジェクト”。
これからも多くの皆さんに支えられ、この”地味ででっかいプロジェクト“を発展させていきたいと思います。ご支援くださった皆様、ありがとうごいます。




院内感染はどこの病院でも大きな問題となっています。病院内は様々な細菌、ウィルスが集結している場所です。
病院へ来て新たな病気にかかってしまう・・・これを院内感染といいます。その要因には、医療行為を介してや、院内の環境により発生してしまうことがあげられます。
時には命取りとなる感染を発生させてしまうこともあるのです。
AHCでは、院内感染専門看護師を任命し、各部署の代表から構成される院内感染予防チームを結成して様々な取り組みを行ってきました。
眼に見えない細菌やウィルス相手ですが、手洗いの励行で多くの院内感染を予防することができます。しかし、習慣付かない現実があり、どうすればよいのか試行錯誤の繰り返しです。

kazu111206.jpg誰の手??
最近の取り組みは上の写真です。あるスタッフの手を培養プレートに押し付けて培養した結果!!!こ~んなに汚れてた~!この写真を院内のコンピューターの全てのスクリーンセーバーに常に映し出されるように操作したのです。
ふふふ、常に「あなたの手はこんなに汚~い!ほ~ら、手を洗いたくな~る・・・」と暗示をかけようという作戦です。
この作戦、意外に効果がありました。今後も創造力を駆使し、院内感染0を目標に取り組みます。



kazu111207.jpg受賞したスタッフ一同昨年に引き続き、今年も社会医療法人財団 池友会会長 蒲池真澄医師(横断幕写真)のご好意により、”功労賞“の授賞式を行いました。
1年に1度、全てのスタッフの中から投票により選考しますが、特に今年は、”ハード・ワーカーである“”心のこもったケアを提供している“という2つのポイントを提示し、選考基準としてもらった結果、写真の8名が選ばれました。
この2つのポイントはAHCスタッフ全員が常に心がけていることですが、ここに選ばれた8名は特に眼を引く仕事ぶりでした。
普段目立たないお仕事をしていても、誠実に仕事をしていれば見ている人はいるんだな・・・と実感したようです。その通りですよね。受賞したスタッフばかりでなく、他のスタッフも仕事に対するモチベーションが“グン!”っと上がり、仕事への楽しさも倍増するというものです。
また、自分の仕事の意義を、こうしたチャンスに再認識することと思います。ありがとうございました。



kazu111208.jpgイベント参加者の皆さん今年の雨季はカンボジア各地で洪水の被害が広がりました。農村部では、隔離状態で、食料も途絶えてしまった地域がたくさんありました。AHCや地域医療支援・保健教育プログラムは、こうした各地の患者さんとの関わりがとても深く、「何かできることはないだろうか?」と考え、シェムリアップ市内のレストラン2件(II Forno, Miss Wong cocktail Bar)のご協力により、チャリティー・ディナー&オークションイベントを開催しました。
たくさんの参加者の皆さんのおかげで、一晩で$5,000を越える義援金が集まりました! この義援金で、蚊帳、ござ、衛生用品、飲料水、お米を購入し、シェムリアップ北部のダン・ルン地域の330件の被災したご家族へお届けしました。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。



kazu111209.jpgこの男性、よくこの紙面でも登場しているAHCスタッフですが、覚えていらっしゃいますか? HIV/訪問看護部でマネージャーをしているピエクトラ看護師です。
やっと結婚することになりました!これは婚約式の写真ですが、2012年2月に結婚式を予定しています。
ま~!長いこと待たされましたね。 「いつになったら結婚するのよ~」と周りからせっつかれ、最近ではもう誰も聞くことすら憚られる状態でしたから、周囲のみんなも大喜びです。私も、また母になった気分で、もろ手を挙げて大喜びです。
2012年はたくさんのAHCスタッフが結婚を予定しています。
母の気分で喜び、そして、お婆ちゃんの気分で彼らの子どもたちを抱っこするのでしょうね。ははは。



11月、12月合併号の出来事でした。2011年も終わりました。あっという間・・・ですが、出来事を振り返ると、あっという間とは言えないくらいたくさんのことが起きましたね。 2012年はスタッフの結婚ラッシュで始まりそうですが、お仕事も楽しいことがたくさんあることを期待しています。
結婚・・・私も負けていられませんね!がんばります。 2012年も引き続きよろしくお願いいたします。

アンコール小児病院 看護師 赤尾和美





2011年9・10月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「9月・10月の出来事」合併号

今回は、9月10月合併号です。HIV感染症の子どもたちの会、また東南アジアを襲っている洪水の被害、そして、いよいよAHC自立へ向けての動き、そして悲しいお知らせを一つお伝えしなければなりません。


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上の写真は、AHCへ通っているHIV感染症の子どもたちです。仲間同士の教育プログラム(ピア・エデュケーション)研修を今年も開催し、新たに5名のリーダーが活動を開始することになりました。
アンコール小児病院が開院した当初は、“HIV感染症というと薬もない、知識もない、技術もない・・・”と無いものづくしで、ただ段々弱っていく子どもたちを見ているしかなく、亡くなる度に、そのやせ細った小さな体を前に悔し涙を流したのを思い出します。
そして、HIV抗体検査のシステム作りから始まったHIVプログラムも、今年で10年となり、抗HIV剤による治療を始めてから8年です。
何もかも初めてで、「これでいいのかな???」と試行錯誤の毎日でしたが、こうして大きく成長してくれている子たちを見て「まずまずだな」と嬉しい気持ちです。

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大きく成長してくれた子どもたちもお年頃を迎え、色々な思春期の問題を抱え始めています。反抗期を迎え、家族との関係がうまくいかなくなったり、HIVに感染している自分に嫌悪感を持ち落ち込んだり、周りと比較して劣等感を感じてしまったり、好きな人ができたことと自分がHIVに感染していることの間に葛藤を感じてしまったり・・・。
こんな子たちの一番のネックは「自分だけ・・・」と思ってしまうこと。
そこで2009年から始まったのがピア・エデュケーションでした。仲間達のリーダーとなる子たちを養成し、セルフサポートのシステムを構築する試みです。
現在、13名のリーダーが毎日交代で病院にきてボランティア活動をしています。リーダーさんは成人となれば卒業していき、思春期になる子どもたちは毎年増え続けるのですから、この研修は恒例の活動として定着させて行きたいと思います。
現実にこのセルフサポートの活動には、素晴らしい力があるなと感じています。私たち大人の説得にも耳を貸さず辞めてしまったAちゃんへ自分の経験を話し、学校への復学が実現したり、自分も家出をして一人住まいで辛い経験をしたリーダーのBちゃんは、同じように家出をしたCちゃんを自分の家へ住まわせて、いつも怒った顔ばかりしていたCちゃんの笑顔を取り戻してくれました。
自分たちの力を信じてこれからも頑張ってもらいたいですね。



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連日日本のテレビでも報道されているのはタイの大洪水ですが、カンボジアも大洪水です。雨季には時々川が決壊することもありましたが、今回は、川の水位の上昇が早く、引きが悪いという状況で、9月から5回も写真のような洪水が発生しています。訪問看護では船を出して患者さんの家にたどり着くことも多々ありました。現在は、シェムリアップの街中では水は引き、川の水位も下がってきたものの、村では未だに水が引かず、隔離されてしまっている地域がたくさんあります。病院へ来たくても来られない患者さんはたくさんいるのではないかと思います。現に、外来患者数を8月と9月で比較すると約5,000人も少なくなっています。

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今年のお米は収穫間近に大きな被害を受け、1年の収入をこの時期に頼っている人々には大打撃です。そして、この被害は一時的なものではなく、半年後、1年後にも及ぶことだと思います。お米の値上がりは必須でしょうし、下水が完備していない地域では、(ほとんどがそうですが・・・)長期に渡り水が溜まっていることにより、感染症が増えてしまうことも大きな心配です。
こういった影響を受けやすいのは、特にお年寄りと子どもたちでしょう。今週中にまた雨が降るという予報がありますが、大雨にならないことを祈るばかりです。




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嬉しいご報告です。AHCが開院当初より目標としていた“カンボジア人によるカンボジア人のための病院”へ大きな第一歩が踏み出されました。
その自立のための1回目の会議がシェムリアップで2日間かけて開催されました。会議にはフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(FWAB)理事、カンボジアで長期に渡り保健医療に関わる専門家、AHCカンボジア人スタッフ、支援者などが参加し、今後の自立へ向けて全員が同じ認識を持てるような情報交換、そして、それをもとに今後の計画、自立運営委員会の発足とメンバー選出など、生産的な2日間でした。
自立はFWABとの関係が全く無くなるということではなく、永久的に関連を持ちながら、運営、会計管理などを院内で行うという形を目指しています。

病院開設が決まった時からの大きな目標はカンボジア人の自立による運営でした。
当初は2007年にカンボジア政府への引き渡しを目指していましたが、AHCは思いのほか発展を遂げ、規模も内容も予想を越えた拡張をしていました。
そして、政府への引き渡しは現実的に困難であることが分かり、引き続きFWAB運営で多くの皆さんのご支援を賜りながら、今日まで自立の時期を伺ってきました。
今、未来の光が確実に見えてきました。次回のミーティングは来年1月となりますが、またその後に進展をお知らせできることになると思います。



kazu119006.jpg嬉しいご報告の後にとても悲しいお知らせです。AHCで経理のチーフを務めていたポル君が急逝されました。
享年38歳。あまりにも突然の死に、スタッフ一同動揺してしまいました。亡くなるその日まで一緒に仕事をしていたのですから・・・。真面目で嘘のつけないポル君、会計の細かな仕事を扱うために産まれてきたような性格で、いつも私に「頭固いよ!!」と言われては、頭をポリポリ掻いていたポル君でした。そんなお堅い彼なのに、デスクの上はいつもグチャグチャで、あのデスクの中から必要な資料をさっと探し出し取りだすのを見てはいつも感心したものでした。
今でも経理へ行くとそのグチャグチャのいつもの通りの彼のデスクがあります。まだポル君がいるような・・・。
ポル君も「これが最後の夜」などとは思うことなく、いつもの通りに床に着いたはずです。「明日が無いかも・・・」と考えることなどまずないです。今朝目が覚めたことに、今を生きていることに感謝してしまいます。ポル君が教えてくれた大事な教訓です。



9月、10月合併号の出来事でした。嬉しいこともありましたが、大変悲しいこともあり、心揺れる2か月でした。 色々なことが予測なく起こるのが人生です。楽しいことばかりではないのも人生です。色々な経験から学び、前進することが人生なのですね。

アンコール小児病院 看護師 赤尾和美





2011年8月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「8月の出来事」

今月は、デング熱その後、院内外での各専門部署による教育活動を中心にお知らせいたします。



先月に続いて、デング熱発生状況の続報です。たくさん来ているデング熱の患者さんの中からアート君のお話をご紹介します。

kazu110801.jpg入院中のアート君
アート君が住んでいるのはシェムリアップから200キロ以上も離れたコンポントムという州です。アート君と5歳のお兄ちゃんは同じような症状が4日間も続き、家族は近所の個人開業医へ連れて行きました。
しかし、薬を処方されたものの症状は良くならず、アンコール小児病院(AHC)まで行くことを決めました。とにかく急いでAHCへと個人の車を所有する運転手さんにお願いしたところ、100ドルもかかると言われました。貧しいアート君の家族はそれほどの大金は持ち合わせていませんでした。それでも、どんどん悪化している2人の子どもを前に「命には代えられない・・・」と、同じ村の中に住む人々に借金をしてその交通費を工面しました。
アート君はAHC到着後直ぐに、デング熱と肺炎がもとで体中にバイ菌が蔓延している敗血症と診断され入院、治療が開始されました。しかし、アート君のお兄ちゃんの体力は長旅を乗り切ることができませんでした。AHCへの途中の車内で亡くなってしまったのです。
この話を聞いたある家族(やはりAHCへ子どもを連れて来ていたカンボジア人の家族)が、この話に大変心を動かされました。そして、借金をした100ドルの交通費分を寄付しますと申し出をしてくれました。このご家族の好意はアート君の家族にとって、経済的な負担と共に、精神的な負担を大きく軽減させてくれたことはいうまでもありません。そして、アート君は数日後には回復し無事退院を迎えました。
カンボジア人の本質「助け合い」の精神は、素晴らしいなと改めて実感しました。

kazu110802.jpg献血に馴染みのないカンボジア人・・・ドキドキです。
AHCではデング熱対応として、引き続き献血のお願いキャンペーンをしています。今回は、ビクトリアホテルスタッフへデング熱と献血の講義を行い、その後には献血に馴染みのないカンボジア人スタッフも多数、ご協力をいただきました。みなさんのお陰で現在まで血液の不足はなく、必要時に直ぐに使える状態になっています。AHCスタッフ一同、感謝、感謝です。




訪問看護の患者さんSちゃんです。シェムリアップから80キロ離れた村に住んでいます。子どもにとって育つ環境というのはとても大切です。環境の中には、物理的な環境もありますが、家族関係や、コミュニティーなども大きく影響するものだと思います。

Sちゃんのお父さんは軍に所属していますが、兵隊としての仕事は全くありません。しかし、他の仕事をすることもなく、毎日お酒を飲んで、時々気が向けば炭を作る仕事を手伝い酒代をもらっているようです。
お母さんは子ども4人の世話を一人でしなければならず、イライラは募るばかりです。お父さんとは毎日喧嘩だそうです。私たちの質問に対する返答も、その怒りを私達にぶつけるかのような状態でした。お母さんもやけっぱちになっている様子で、自ら生計を立てることは何もしていません。
火事になって焼けてしまった家を借金で小さな家に作り変えましたが、その家の中は、洋服や壊れた自転車やライターなど、いろんなものが雑然と散らかっています。
そんな中で、Sちゃんと弟ちゃんがお水を必死に飲んでいる姿が、なぜか胸にぐっと来る光景に映ってしまいました。

kazu110803.jpg必死にお水を飲むSちゃんと弟ちゃん
kazu110804.jpg小さなSちゃんの家
お父さんを呼び出し、家族への責任についてじっくり話しました。お父さんは、「井戸があれば野菜を作りたいんだ。だけど、ここは井戸を作るのには1,000ドルもかかる。無理だ」と話します。この地域は深く掘ってもなかなか水が出ない地域なのです。現在は1キロ先にある井戸まで毎日水を汲みに行っています。
近所には数件の家があるのみで、カンボジア特有の村内での支え合いも不可能な状況では、毎日の生活に不安を持たずにはいられないことだと思います。
1,000ドルの井戸でSちゃんたちの生活が変わるかも知れない・・・。しかし、普通の井戸ならば約10基も作れるので、簡単には決断できません。まずは、家の回りの土地を耕し、ほんの少しでもいいから野菜を実際に作り始めてもらうことにしました。お父さんのやる気と行動が伴っていること、その生活が定着していることが確認できたら、1,000ドルの井戸作製に着手しようかと考えています。普通では井戸1基に1,000ドルも使用することはできませんが、幸いに井戸を支援してくださる井上国際交流財団が、以前に了承してくださっています。しかし、慎重にことを進めたいと思います。
Sちゃんは、お父さんとお母さんの喧嘩を毎日見ているせいか、とても乱暴な行動を取る傾向にあります。私達が話している間にもお母さんの髪の毛を思いっきり引っ張ったり、蹴飛ばしたり、弟を殴ったり・・・。

子どもには親を選ぶ権利は無いのです。お父さん、お母さんが頑張ってくれて、井戸を作ることができ、野菜が育ち収入が増えれば、心のゆとりも出てくるでしょう。「一日も早くその日を見届けることができたらいいね」と、訪問看護のスタッフとソーシャルワーカーで念入りに計画を立てています。




地域医療支援・保健教育プログラム(CBHEP)では、地域での予防教育を行っています。雨季になると下の写真のように道が寸断され村が取り残されてしまう状態が発生します。そんな村へも手を差し伸べられるようにと、CBHEPのスタッフは出かけて行きます。

kazu110806.jpg教育とは自らロールモデルとなること
kazu110805.jpgこんな道では患者さんも容易に村を抜け出せません
また、地域の初期診療医療をつかさどる保健センタースタッフの教育の充実も活動の一つですが、保健センターがロールモデルとなり村人たちへ衛生を呼びかけようと、CBHEPスタッフと村のヘルスボランティアが自らセンター内を大掃除しました。遠くから指示を出しているだけでは、何も変わらないのです。教育の基本ですね。




院内でもカンボジア人スタッフからロールモデルの必要性が議題に上がりました。
開院12年を経過し、AHC内の核となるスタッフはほとんどがカンボジア人となりました。これまでは外国人が水の流れを作りその川を泳いで来たカンボジア人スタッフ達でしたが、ここ数年、自らの泳ぎ方を身につけ前進しているな・・・と実感します。
この週に1度の院内清掃も彼らのアイディアです。各部署を取りまとめるマネージャーレベルのスタッフが、「院内の環境の整備をする必要がある。指示を出してもなかなか改善はしない。ならば、自らロールモデルとなって院内を回り掃除をしよう」と、毎週木曜日の16時から17時をマネージメントチームの院内大掃除の日と決めました。

kazu110807.jpg院長、副院長もロールモデルに!
知識や技術ばかりでない内面的な成長に12年間一緒に働いてきた私は、感慨ひとしおです。・・・でも、写真はちょっとわざとらしいですねぇ。ふふ。




AHCにはリハビリテーション部門があり、多くの障害を持つ子どもたちとその家族のサポートをしています。リハビリをしなければ体は直ぐに固まってしまい、子どもたちの生活の質は低下し、家族への負担は大きくなるばかりです。しかし、農村部から来ている麻痺を持った子どもたちが長期に入院することは家計に大きく響きます。とはいえ毎日リハビリテーションに通うことは不可能なので、各家庭で家族によるリハビリテーションをしてもらうことができれば、早期退院が可能となります。

kazu110808.jpgフィジカル・セラピストのラニーと学生さん
リハビリテーション部門では学生さんの実習受け入れが始まりました。2週間をAHCのフィジカル・セラピストと過ごし、技術やテクニックを学んで行ってもらいます。
リハビリテーションの必要性が注目を浴び始め、カンボジア・プノンペンでは正式に3年間のフィジカル・セラピストのコースが開設され、AHCでは最新の技術の知識を学んでもらおうとスタッフを一名、そのコースへ送り込みました。卒業後にはたくさんの最新情報を持ち帰って来てくれることと思います。




チア・コサル医師が世界保健機構から招待され、デング熱に関する勉強会に参加しました。今年は、冒頭にもお伝えしているようにデング熱が大発生しており、多くの医師がその治療法について熟知することが緊急に必要とされています。
的確な処置を早期にすることで早い治癒が見られる病気ですので、勉強会では、早期診断、適切な治療方法とケアや最新の統計なども交えて学んだようです。
コサル医師は、学んだことを早速実践、そして、AHCの他の医師、看護師へ最新の情報を提供したいと言っています。

kazu110809.jpg診察中のコサル医師
全てのスタッフがこうした勉強会や会議に参加出来るわけではないので、代表となったスタッフは、戻って来た時には他のスタッフへ伝えることの責任を大きく感じているようです。




これまでにAHCの眼科部門では、SEVA財団のご支援により28,000人の子どもたちの診療に当たってきました。感染症や外傷が主な疾患となっています。院内での診療に加え学校へも出向き、視力測定や眼科検診を積極的に提供しています。
眼科スタッフのチャニーメディアカル・アシスタントは、保健センタースタッフの教育にも力を入れています。

kazu110810.jpg保健センタースタッフに教育中のチャニー
kazu1110815.jpg入院中の眼科疾患を持つ赤ちゃんのケア中

今回は、サテライトクリニックと繋がりのある保健センタースタッフへ、眼の解剖から始め、様々な眼科疾患についての講義を行いました。専門的な知識をより多くの医療従事者に熟知してもらうことは、地域の医療の質向上に大きく貢献することだと思います。




前述したビクトリアホテルでは、デング熱だけではなく、様々なスタッフ教育に取り組んでいるようです。今回はHIV教育の依頼があり、合計182名のスタッフを9回に分けて、HIVの基礎知識と予防に関しての教育を提供しました。
オープンに学んでもらうために男女別々に実施しましたが、女性スタッフにも実際にコンドームの装着方法をデモンストレーションしてもらいました。

kazu110812.jpgコンドームの装着練習中!
kazu110816.jpg女性組の講義中
みんな「わ~!!やだ~!」と言いながらも頑張っていました。以前は講義だけの教育方法しか思いつかなかったAHCスタッフも段々教えていく度に参加者を乗せるテクニックを身につけ、教えることにも喜びを感じているようです。




トンレサップ湖の水かさも日増しに増えているようです。どんどん大きくなる湖。自然の力を感じます。

kazu110813.jpg先月より更にトンレサップ湖が大きくなっていました。
kazu110814.jpgきれいな靴なんて履いていられません!ぞうり、ぞうり!
村でも船を出したくなるようです。びちゃびちゃと水の中を歩くのは子どものころから好きですが、最近特に好きになりました。足の裏に感じる泥のニュルニュルと水がしみ込んでくる感じがとっても心地いいです。・・・ただ、乾いた後にちょっと痒くなるのが玉にきずですね。きっといろんなものが混ざってるのかな・・・。




8月の出来事でした。デング熱は急激な増加は見られませんが、相変わらず流行っています。そろそろ収束の時期なのですが、このまま少しずつ落ち着くことを祈るしかありません。  

アンコール小児病院 看護師 赤尾和美



2011年7月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「7月の出来事」

7月は、デング熱の大発生その後、ソーシャルワーカーの活躍ぶり、支援者の皆さんの話題、長期に関わっている患者さんのお話などを中心にお知らせいたします。


先月お知らせした、デング熱発生状況の続報です。相変わらず、デング熱の患者さんの数は多く、外来も人であふれています。入院病棟では、デング熱の患者さんの数だけ病床を増やし対応しています。一般病棟では、常時10名ほどのデング熱患者さんが入院しているので、病室内には入り切れず、写真のように廊下にマットレスを敷き、寝てもらっています。風通しが悪いので少々暑いですが、「寝る場所さえあれば・・・」と我慢してくれています。

kazu110701.jpg廊下から患者さんがいなくなることはない日々が続いています
今年は、重症になってしまう前に来ている患者さんも多いような気がします。そのせいか、写真下のように外来で点滴を始め、重症になること無く入院も短期間で退院となっていくケースも多いようです。

kazu110702.jpg外来待合所でも点滴をしながら待たなければならない患者さんもいます
2007年ほどの急激な患者数の増加が無いということがとても幸いしていると思います。今のところはとりあえずパニック状態には陥っておらず、輸血のために必要な血液も、現段階では充分足りています。この程度の状態で今回の大発生が通り過ぎてくれたらいいのですが・・・。



kazu110703.jpg昨年から始まった、ソーシャル・ワーカー(SW)の活動については、これまでに何回かみなさんへもお知らせしてきましたが、先月の新規 SW の雇用によって、チームとしての活動が可能となりました。
・・・が、最初は、「SWーって何をする人?」ということが他のスタッフに分かっていなかったために、院内でも、なかなか紹介されてくることが無く、逆に「あの人・・・何してるんだ??」といった雰囲気がありました。それでは、彼らのヘルプを必要としている患者さんに手が届きません。
そこで、これまでに2回、SW の役割についてのプレゼンテーションを全てのスタッフ向けに行いました。その結果、各病棟からは次々と患者さんが送られて毎日忙しく対応に追われるようになりました。また訪問看護では、そのほとんどにSW の“手”が必要です。
最初に雇用したスレイマムも、当初のまごついた様子は無くなり、自信を持ってプレゼンテーションをしている姿を見ては、SW としての顔になってきたな・・・と感じる今日この頃です。
未だスタート地点にいる活動ですが、これからも更に彼らに頑張ってもらい、活動内容の充実と拡張を図っていけたらいいなと思います。



AHC では、個人でご支援してくださっている方、また、会社やグループとしてご支援してくださっている方々など、様々な形でのご支援者とのつながりの輪が日々広がっています。

kazu110704.jpgペイント作業でハッスル!

この度、継続的にAHC を支援してくださっているグループの一つである“ドゥチェ銀行”の皆さんがご訪問くださいました。
滞在中には、献血や子どもたちとの風船遊びやクラフト作成、建物の塗装作業までもお手伝いしてくださいました。また、AHC に来ている患者さんとご家族にたくさんのプレゼントも持って来てくださいました。
皆さんからの継続的なご支援に心から感謝する共に、直接お礼をすることができたことを大変嬉しく思います。



kazu110715.jpg訪問看護で6年もサポートしている家族がいます。セットちゃん、12歳の女の子です。体はせいぜい7歳程度にしか見えないほど小さいです。
6歳の時に脳の炎症を起こし、体にまひが残ってしまったために自分で体を動かすこともできず、食べ物は援助なしでは掴むことすらできません。
お父さんは毎日お酒に溺れ、お仕事は時々気が向いた時に行く程度でしたから、セットちゃんを含めて4人の子ども達を食べさせるためにお母さんが仕事に出なければなりませんでした。
お母さんはセットちゃんに介助が必要なことは充分理解しているのですが、結局は寝かしたままで、セットちゃんの妹(やっと今年7歳)に託して出かけるしかなかったのです。
訪問看護では、食料支援やお父さんとの話し合いなど色々な方向からアプローチしてきましたが、どれもこれもあまり長続きせず、結局、寝たきりのセットちゃんは、寝たきりのまま。しかし、諦めることはできません。訪問看護スタッフから庭に自分のところで食べられるだけでも野菜を作ろう・・・熱心な説得にセットちゃんのご両親も何か感じるところが出てきたのでしょう。

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ご覧のように、インゲンや、ナス、空芯菜、かぼちゃの栽培を始めることができ、お父さんも完全にお酒を断ち切ることはできていないようですが、畑仕事を手伝いながら、外への仕事へも毎日出るようになりました。
家庭で野菜の栽培をするようになりましたから、お母さんは常にセットちゃんと一緒に時間を過ごすことも可能となり、食事介助も余裕を持ってできるようになりました。その結果、体重が少しずつ増えて来ています!ずっと、10キロしかなかったセットちゃんですが、先日は12キロになっていました!!嬉しいですね。
このまま、ご両親が少しずつ安定した生活を持つことにより気持ちにもゆとりができ、笑顔が増えてくれるといいですね。家庭の中の笑顔は、子ども達の情操教育にとても大切ですものね。



今月は日本とAHC の強い繋がりが見えた月でもありました。
中山身語正宗 大本山 瀧光徳寺へ伺いました。長年に渡ってAHC の教育プログラムへのご寄付をいただき、直接お礼をしたいという病院スタッフの願いを背負って、僭越ながら私が代表して感謝状をお持ちいたしました。

kazu110708.jpg2011年5月より新管長となられた八坂親憲師と筆者
AHC のスタッフからは「しっかり私達の気持ちを届けてくださいね!」と言われていましたので、背中は重たかったです!でも、こうして日頃の感謝の気持ちを直接お伝えすることができて本当に良かったです。そして、カンボジアへ戻りこの事を報告し、スタッフからも「よかった~」と言われ、そこでやっと肩の荷が降ろせました。
これまで直接お礼に伺えないでいる支援者の皆さんへも、色々な機会を作ってお会いして行きたいと考えています。直接お会いできるようなチャンス・・・何か皆さんからアイデアがありましたら、ご一報ください。



フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー ジャパンが、御成門の日本アセアンセンターで“カンボジアフェア 星に願いを アンコールの子どもたちへ“と題してイベントを開催しました。
「カンボジアの子どもたちを想って願いをかける七夕まつりをしよう」という掛け声で企画されたこのイベントには、カンボジア支援をしている日本国内のNPO、11団体の皆さんにもご協力をお願いし、ブースが設置されました。

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会場では、まず受付でカンボジア人留学生たちがカンボジアの衣装でお出迎えをし(写真左)、ブースにはたくさんの団体からのグッズやインフォメーション・リーフレットなどが並び(写真右)、約1,500枚の各地から集まった七夕短冊(次の記事で詳細を!)も飾られ、たくさんの願いが満載!

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また、舞踏家の山中ひとみ氏にもアプサラダンスのご披露をいただき、感動でした。

そして、このイベントでは当団体が各地を巡回して継続開催しているカンボジアの写真展と、カンボジアの孤児院 スナーダイ クマエの子どもたちが描いた絵画展も同時開催し、当日は大盛況に終わりました。

kazu110716.jpgスナーダイ クマエの博子さんと・・日本で会うのは初めて!
ご来場くださった皆様、ありがとうございました。



kazu110712.jpg前述のイベントの記事で七夕短冊のことを少し書きましたが、これが短冊です。それも、ちゃんとカンボジアへ届けられた短冊です!日本のイベント会場で壁に貼られていた1,500枚に及ぶ短冊は 、大事に包まれて飛行機に乗ってAHC まで届けられました。AHC フレンズセンターで8月末まで展示する予定です。
ちょっとした裏話・・・本当は日本のように笹につるして飾る予定だったのですが、1ヶ月の展示ともなると、笹が死んじゃうな・・・と考えたカンボジア人スタッフは、鉢植えの観葉植物を持ち込み飾ることにしました。短冊の数がたくさんでしたので、短冊のお化けのようになってしまったのですが・・・ご勘弁を!
この期間にAHC を訪れると、みなさんの願いがいっぱいこもった“短冊お化け”に出会えますよ。是非お越しください!



kazu110713.jpg7月のシェムリアップ上空からの写真です。
こんなに水だらけなんですよ。乾季にも同じあたりから撮ってご披露したいです。その違いたるや、びっくりしますよ。私は、この水だらけが大好きです。


7月の出来事でした。来月にはデング熱の大流行がどうなっているか・・・心配な部分ですが、スタッフ一同これまでの経験をもとに乗り切れるよう頑張っていきます。

アンコール小児病院 赤尾和美

2011年6月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「6月の出来事」

6月は、デング熱の大発生、サテライトクリニックで産まれたサヴィンちゃんのお話などの話題を中心にお知らせいたします。

政府の発表通りにデング熱が猛威を振い始めました。
2007年に大発生した時には、この紙面からも緊急大支援のお願いをしました。その時の経験が今回の大発生に活かされているな・・・というのが今のところの実感ですが、外来もご覧のように多くの患者さんで座るところもないほどです。
先日は700名もの患者さんが外来受診したと言っていました。外来スタッフたちも、人・人・人・そして人の中に埋もれていましたから、1日の終わりには、ぐったり消耗しています。
kazu1110601.jpg外来も人であふれています
今年は、政府の発表を受け2007年と同様の状態になることを想定し、まず血液の確保として、シェムリアップ内のホテルや旅行社へ献血のご協力をお願いするキャンペーンを始めました。そして、シェムリアップの老舗ホテルとして知られるグランドホテルでは、館内の“エレファント・バー”をご提供いただき、ホテルスタッフとその家族へ献血を呼び掛けるイベントを開催してくださいました。
検査課からAHC スタッフが出張し、その場で献血ができるように待機し、多くの方が来てくださいました。 献血をとても恐怖としてとらえるカンボジア人もたくさん来てくださったことは画期的でした。
kazu1110602.jpgグランドホテル内エレファント・バーで献血!高級感ありますね
さらに、フレンズセンターでは、”デング熱の勉強会“のために1日開放し、一般の方々向けにAHC の医師がデング熱についてプレゼンテーションをする機会を設け、献血や点滴剤、薬へのご支援を呼びかけました。このセッションには地元の皆さん、海外からの駐在の皆さんを含め100名以上の方のご参加がありました。
デング熱は予防できる病気です。これを機に少しでも罹患率が下がることを祈っています。


引き続きデング熱のお話です。
2007年は準備の間もなく、前代未聞の大発生でしたので、患者さんのマットやシーツなども含め、全ての物が不足してしまいました。
今年は事前に発注し、病室へ入り切れず廊下に寝ている患者さん全てにマットレスもシールも提供することができています。もちろん出費はかさんでいますが、提供するものがないという状況だけは回避できました。
kazu1110603.jpg廊下にもぎゅうぎゅうにマットレスが並んでいます
そして、さらに困ったのがスタッフでした。デング熱に慣れているとはいえ、あれだけ
たくさん来ると優先順位を付けなければならない・・・どっちが重症なの???とアタ
フタ状況は、仕事の効率を下げてしまうばかりでした。
そこで、今年はデング熱の治療とケアに関する復習のためのコースを開催し、28名
の医師、72名の看護師が参加し、その知識とスキルの確認をしました。
kazu1110604.jpg2007年の大発生時、ER は戦場のようでした
kazu116008.jpg上の写真に比べると、広く改築された分ゆとりがあるように見えますが・・・
今年のER と2007年のER を写真で比較してみました。上が2007年です。ER は2009年に増改築が行われ、かなり広くなっているので、災害や、伝染病の大発生の時には使い易くなっていることを今回で実感しました。
現在入院病棟では8〜10名のデング熱の患者さんが常に入院している状態ですが、スタッフも落ち着いて対応できています。これ以上、急激に増えることが無いよう、これも祈るばかりです。


5月のお話が6月の報告になってしまいましたが、これはどうしても皆様へお知らせしたくて、今月に掲載させていただきました。
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写真のサヴィンちゃんは5月11日にソトニコムにあるAHC のサテライトクリニックで産まれました。
サヴィンちゃんのお母さんはとても経済的に厳しい状況におかれ、また彼女自身も栄養が不足している状態でした。そんなことが影響しているのか、出産時に命にかかわるような大変な状況に陥りましたが、1週間後には無事にサヴィンと共に退院し、再診の予定を立てました。

しかし、サヴィンとお母さんはその再診日に来なかったのです。どうしたものかと思案しているそのちょうど同じ時に、サテライトクリニックで協力体制を結んでいる“アクション・フォー・ヘルス”というNPO のスタッフが、サヴィンちゃんの家へ訪問していました。そのスタッフは、サヴィンちゃんが再診日に来なかったことは知らなかったのですが、何か通じるものがあったのでしょう。

そこで目に入ってきたのがサヴィンちゃんの容態です。弱々しく、聞くところによると、数日間下痢をしているとのことでした。そして、そこには貧窮の生活状況。お母さんは全く食べ物もない状態でした。
サヴィンちゃんはサテライトクリニックへ直ぐに搬送され、重症な脱水と診断を受け治療が開始されました。そこで判明したのは・・・お母さんは、栄養失調のために母乳が全く出ない状態だったのですが、粉ミルク(1㎏約570円)を買うお金は無く、借金をしてそれよりも格段安い(1缶200cc78円)コンデンスミルクを購入し、水で薄めて飲ませていたのでした。コンデンスミルクは見た目が白く、むしろ甘みがあるので、カロリーも栄養も足りていると思いがちなのですが、乳児に必要な栄養素には程遠いものです。しかし、サヴィンちゃんのような家庭は珍しくなく、入院して来る患者さんの中にもよく見かけます。
借金はしてもコンデンスミルクを購入することで精いっぱいだったようで、もちろん病院への交通費や、食べ物を買うことは全くできずにいたのでした。

院内での治療は順調に進み、体重も増え退院の運びとなりました。・・・がしかし、このままではまた同じ状況で戻ってきてしまう可能性があります。
そこで、ネットワーキングです!家庭での粉ミルクの支援をしている団体との協力で、退院後もサヴィンちゃんには充分な粉ミルクが確保されました。
また、退院時には粉ミルクや栄養についてのカウンセリングが専門看護師により提供され、定期的な訪問も計画されました。
AHC だけでは成し遂げることはできなかったことが、横つながりのネットワークを上手く使い、助けることができたサヴィンちゃんの命。明るい未来がきっとあることでしょう。楽しみです。


雨季は本当にいいですね~。いろんなものが一気に育っています。
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写真はカスタード・フルーツ。お地蔵さんの頭のような果物で、とても美味しそうには見えないですが、美味しいです。食べまくりです。表から触って、ちょっと「ふにゃ」という時が熟れている合図です。「まだかな?」とつい何度も確かめてしまいます。
食べる時には台所の流しの前でむしゃむしゃ。少し前のマンゴーも果汁が垂れてしまうので、やっぱり流しの前でかぶりついていましたが、この果物、果汁はそれほどないのです。ただし、種がいっぱい!なので、つい流しの前に立ちながら食べてしまうんですよ。
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そして、次の写真はオクラです。日本から持ってきたオクラの種も植えてみました!すくすくと育っています。もう毎週わくわくしながらその成長を記録しています。
まだお花は咲いていないのですが、あと数週間でお花が咲くかな・・・と思います。
きれいな淡い黄色のお花もなかなかの魅力です。そして、1〜2週間すると大好物のおくらさんたちが出て来てくれます。わ~、待ちきれません!!
この他にも今年は豊作の年のようで、オレンジ、かぼちゃ、ドラゴンフルーツ、ココナツ、バナナとみんなたくさん出て来てくれました。
暑い乾季に力を蓄えて、雨が降り出して一気にそのパワーが全開!・・・なのでしょ
うかね。私みたいです。


6月の出来事でした。毎月お伝えしたいことがいっぱいです。皆様からのご質問も受付しておりますよ。是非、お寄せください。皆様が知りたいこと、興味のあることを毎回お伝えしていきたいと思っております。

アンコール小児病院 赤尾和美



2011年5月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「5月の出来事」

5月は、アンコール小児病院へ来た患者さんのお話、カンボジア人スタッフの昇進、そして、新しい仲間などを中心にお知らせいたします。


kazu110501.jpg1歳の女の子、スレイネットちゃんがお母さんに連れられラタナキリ州から来院しました。
ラタナキリ州はシェムリアップから600キロはある遠く離れた農村地域ですから、その道のりは遠く、またその交通費は家族にとってはとても大きな負担になります。
スレイナットちゃんのお父さんは環境省で働いていますが、お給料は1日5ドル、お母さんは仕事がありません。スレイナットちゃんのおじいちゃんが家の回りに作物を栽培しているので、家庭で食べる分の野菜はなんとか賄えているそうです。

スレイナットちゃんは、子どもが受けることになっている予防注射を受けた後、その注射をした腿に膿がたくさん溜まってしまいました。
お母さんはとても心配し、病院へ連れて行こうにもラタナキリにはありません。
そんな時、スレイナットちゃんのおばさんから、「シェムリアップのアンコール小児病院へ連れて行きなさい。とても良く診てくれるから」と言われ、お母さんは決心しました。道中、痛みに耐えながらの長い旅だったことと思います。

AHCへ到着後直ぐに外科医によりスレイナットちゃんの腿は切開され、膿はきれいに洗われましたが、たくさん溜まっていたので、翌日も再度傷の中を洗わないとなりませんでした。600キロを戻ってまた来ることは不可能です。
AHCでは、そんな患者さんには夜にはマットと蚊帳を貸し出し、食費のない患者さんへは食材を提供して、外来の待合所を宿泊施設として開放しています。毎日数十名の患者さんと家族がそこで夜を過ごします。
スレイナットちゃんも一晩をAHCで過ごし、翌日きれいに処置をして帰ることができました。お母さんは、娘の回復の嬉しさを胸に、600キロの道のりを帰って行きました。
よかったです。また一つ笑顔が増えました。


ピエクトラ医療部長が副院長へと昇進しました!
AHCは12年目を迎えて、その病院の成長を実感しています。病院の成長にカンボジア人スタッフの成長が大きく関与していることは言わずと知れたことですが、12年前を思い出すと、この今の状況が夢のようです。

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12年前には新人ドクターとしてAHCに雇用されたピエクトラ医師ですが、彼の勉強熱心な姿勢がそのままその経緯を語っています。一途に学ぶ姿をよく見かけました。そして、スタッフが増えるにつれ、まずはチームリーダーとしての頭角を現し、2002年にはICU病棟の部長となり、シニアの医師としての責任を充分感じることとなったようです。
そして、2004年には医師部門全体の医療部長となり、毎日の治療はもちろんのこと、後進の成長へも貢献し、指導者として多くの時間も費やすようになりました。
そんなカンボジア人スタッフの成長の中でも、今回のピエクトラ医師の昇進は、大きな大きな前進です。

カンボジア人たちがカンボジア人のためのカンボジア病院を運営することは、みんなの願いです。近い将来、そうなってくれそうな予感が大いにしてきました。子どもが旅立つ時のような気持ちですね~。


kazu110509.jpg今年で7年目を迎える看護学生の小児研修プログラムですが、今年も始まりました。例年通り、学生さんを迎える前に看護学校の教員の皆さんに同じ研修カリキュラムを体験していただき、学生さんの研修後もフォローができるように計画されています。

最初の学生さんのグループは、国内にある公立看護学校2校からの40名で、各グル-プ2週間ずつをAHCで学んでもらいます。
この研修では、看護プロセス=看護を提供するために必要なアセスメント、計画、実施、そして、評価から次の看護の計画へつなげる流れ、を充分習得してもらうために構成されています。AHCスタッフも指導する側として、随分と板についてきました。先生の顔になっているな・・・と時々眺めています。これも嬉しいですね。

この研修プログラムは、保健省との協力により企画実施されていますが、かかる費用は全てAHCへの支援者の皆様によって支えられています。看護学生さんたちもそうした多くの支援者に大変感謝しております。
今後は私立の看護学校の研修も受け入れていけたら・・・と考えています。そうすることで、1看護師を育てるだけではなく、国全体の看護の質向上につながるものと期待しています。


kazu110507.jpgHIVの予防にはコンドームは欠かせません。マネージャーのピエクトラ看護師(写真右端)から 「コンドームが無くなってしまいました~」と言われ、ご支援をお願いしたところ、日本から約1,300個ものコンドームの寄贈がありました。
カンボジアでは絶対に見ないような可愛らしいコンドームです。みんな、「これ?え?コンドーム?おもちゃじゃないの??」「これなら恥ずかしくないね」と手にとって眺めていました。パッケージの色もピンクで本当に可愛いおもちゃみたいなので、子どもたちが欲しがって困りました。ふふふ。お父さん、お母さんも、家で子どもにいたずらされないように隠し場所に困るかもしれませんね。

“日本からのコンドームはいい!”とみんなが言っています。患者さんのご家族へ渡す時にも「これは日本のスペシャルコンドームですからね!」って渡しているのを見て、ちょっと笑ってしまいました。
あまりコンドームを使う習慣のないカンボジアですが、こういった事がコンドーム使用率を上げてくれることにつながるといいなと思います。・・・いえ、既に繋がっているのだと思います。


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AHCに新しい仲間が増えました。ソーシャル・ワーカーのスレイパウです。
カンボジアではソーシャル・ワーカーを学ぶための教育課程が始まったばかりで、最初の卒業生は来年にならないといません。ですから、スレイパウは専門の知識を学んできたわけではないのですが、大学で心理学専攻のバックグラウンドがあり、その知識やスキルが大いに活用できるのではないかと期待しています。
何よりも、元の性格がとてもいいのは太鼓判!
人の話を聞く姿勢も物腰も、まわりをリラックスさせてくれます。

昨年採用した最初のソーシャル・ワーカー、スレイマムとの息も合い、既に仲良しになっているようです。「お仕事が楽しいです」と言ってくれていますが、ストレスの溜まる仕事です。上手に気分転換することくらいしか私から教えることは無いですね。


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待ちに待った雨季です!この日をどれほど待ったか・・・。というと大げさに聞こえるでしょうね。でも、私個人にとっては、半年間のお楽しみなんです。クリスマスとお正月とお誕生日が一度に来たくらいに、嬉しいです。
それは、とってもきれいだから。緑が目に眩しい・・・とこの紙面で毎年書いているのですが、また書いてしまいます。
この雨期の間にたくさんのお水をスポンジのように吸いこんで、いっぱいのきれいな緑を見て心の中も緑でいっぱいにしておくのです。それだけで、“ふーっ”と息が抜けるんですよ。スコールに降られて濡れるのもなんだか嬉しくなります。傘を持たない習慣はすっかりと身に付いて、日本でもつい合羽を着たくなるここ数年です。
皆さんもこの時期にカンボジアへ!見たことのないくらいにきれいな緑が見られますよ。
そして、雨が降った後の澄んだ空気と朝焼けが、これまたとても魅力的です。雨季の朝焼けは、乾季とは違った優しい色調です。昨日は、光沢のある真珠の上に薄―いピンクと紫のブルーが少しずつ重なって塗られたような・・・ボキャブラリーの少ない私にはこれくらいしか説明ができないし、写真に撮れないのが悔しいですが。毎日その顔を変えてくれるので、これもまた雨季の毎朝の楽しみです。
是非、ご自身の目で見ていただきたい!


5月の出来事でした。乾季と雨季では病院の中での患者さんの疾患の種類や、受診数も大きく変わってきます。今年はデング熱の流行が予測されると発表され、2007年のあのすさまじい状況がふと頭に浮かびました。そんなことにはならないと良いのですが・・・。                           

アンコール小児病院
赤尾和美


2011年4月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「4月の出来事」

今月は、アンコール小児病院とサテライトクリニックの連携プレーによって命が助かった患者さん、スタッフの教育、財政危機のためにしばらく中止していた水上診療の話題を中心にお届けします。


kazu110401.jpgアンコール小児病院のサテライトクリニックは、AHCから約45キロ離れた町の公立病院の中に1年前に開院しました。既存の公立病院の中にAHCスタッフが駐在し治療に当たっている、小さな分院とご理解いただくと分かりやすいかと思います。そのサテライトクリニックに来たある患者さんについてのお話です。

Sちゃんは、結核性の髄膜炎でサテライトクリニックへ来院しました。来院時のSちゃんは、重症かつ緊急性の高い状態でしたので、応急処置を施し直ぐにAHCへ転送され、ICUへ入院しました。AHCのICUで4日間入院し、命を取り留めることができ、サテライトクリニックの入院病棟で経過観察をすることができるようになりました。しかし、Sちゃんには、重症な後遺症が残ってしまいました。食べることも座ることもできず、頻繁な痙攣を起こすSちゃんを見る度に家族は困惑し、元気な時のSちゃんを思い浮かべては、目の前の状態を受け入れることができずに辛い毎日を送っていました。

病棟でその家族を見ているスタッフも心を痛めていましたが、継続的な治療と定期的な理学療法を辛抱強く続けたことにより、Sちゃんの後遺症は少しずつ回復してきました。経口的に食事をすることもできるようになり、痙攣も見られなくなり、また四肢の動きもかなり回復してきました。そして、いよいよ退院となり、退院後はAHCの訪問看護のチームが定期的に家庭を訪問し診療とリハビリを継続して行くことになりました。

Sちゃんの回復に家族にも希望が見えてきたのでしょう、この写真のお母さんの笑顔、素敵です。こんな笑顔をもっともっと増やしていきたいです。それが私たちの目指していることなのなのだと実感です。
今月はこのようなサテライトーAHC-サテライトー訪問看護という連携プレーが患者さんの命を救い、そして希望をもたらすことができたケースが2例ありました。今後もこの連携プレーが強化されるようにしていきたいと思っています。


AHCの栄養プログラムは、アボット社とダイレクト・リリーフ・インターナショナルからのご支援により、多くの子どもたちの栄養改善に努めてきました。今年の四半期の統計では、20名のAHCスタッフが患者さんと家族へ教育ができるよう様々な栄養に関する研修を受けました。また、650家族が食材、洗剤、病院への通院にかかる交通費の支給を受けることができました。その結果、500家族がAHCへたどり着くことができたと報告されました。
入院時のPちゃん写真のPちゃんが家族への栄養教育がいかに大切であるかを証明してくれています。1歳のPちゃんは重症な栄養失調でAHCへ入院しました。Pちゃんの家はシェムリアップから60キロ離れた村にあり、お母さんはPちゃんが2か月の時に亡くなってしまいました。それ以降、Pちゃんは他の5人の兄弟と共に、伯母さんの家で育てられることになりました。

伯母さんの生活も楽なものではなく、村の中でアクセサリーや氷を売り生計を立てていましたが、その収入では新たな5人の子どもたちは大きな負担となっていました。Pちゃんには、高価な粉ミルクの代わりに8カ月になるまで重湯しか与えられていませんでした。そして、ついには、全身に浮腫みが現れ、皮膚炎、嘔吐と次々と問題が発生してきました。
伯母さんはPちゃんを最初、村の伝統医療(祈祷師)のところへ連れて行きましたが回復は見られず、一大決心をしてAHCへ連れて来たのです。60キロ離れた村からシェムリアップの街まで出てくるには、高額な交通費や食費が必要になりますので、なかなか決心がつかなかったのでしょう。

退院時のPちゃんPちゃんは、即座に入院が決まり、入院中には食材の提供、栄養教育に十分時間をかけました。二度と同じ状況で戻って来ることがないようにするためです。そして、Pちゃんの状態はたった11日間の入院生活で目覚ましく改善されました。全身を覆っていた皮膚炎は無くなり、入院時の5.8㎏から6.5㎏になり、無事に退院を迎えることができました。もし、伯母さんが重湯だけでは命にかかわるような栄養失調を引き起こすことを知っていたのなら、もう少し早くAHCへ助けを求めに来てくれていたことでしょう。
こうした多くの栄養失調で苦しむ子どもたちにAHCが十分な栄養ある食事と教育を提供できるのは、多くの支援者の方がいるからこそと思います。その中にはサム・リリーフ社もあり、毎年お米の寄付をいただいています。今年は、3500ドル分で10トン(3か月分)のお米を届けてくださいました。
ご支援者の皆さんに心から感謝いたします。


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経済危機のために2年間休止していた水上村への診療が再開されました。村人たちにとっても待ちに待ったこの日だったようです。村へ到着するや否や、一気に集まってきました!次から次へと「まだ来るの~??」というほど。
このように診療前のみんなが集まっている時は健康教育の“グッド タイミング”。まずは水上村でよく見られる下痢について、原因、症状、家庭での対処法、病院へ連れて来なければならない時など、全般に渡って分かりやすく説明します。その間にもたくさんの子どもたちは、泣いたり、おしっこしたり、叫んだり・・・。思わず笑ってしまうくらいに賑やかです。
医師の診療も病院のようにはいきません。たくさんの人に囲まれて、「あれ?どの子を診ているんだっけ?」と分からなくなるほど。これも笑えます。
お薬の配布も簡単ではありません。「1日2回、1錠ずつね」と看護師が説明すると、「はい、1日1回、2錠ね」とお返事。「違う!違う!」とまた最初からやり直しです。これも、またまた笑えます・・・が、100メートル全力疾走より体力消耗します。
以前は月に2回の診療へ行っていたのですが、財源やスタッフィングの問題で今は月に1度しか行くことができません。こうした機会がきっかけとなって少しずつでも医療を身近に感じ、また自ら予防行動が取れるようになればいいなと思っています。


慢性の病気を持った子たちは長期に渡ってAHCへ通っています。AHCでは、子ども同士の健康教育(ピア・エデュケーション)のプログラムがあります。現在、対象となる13名の“教育者”がいますが、病気のこと、将来のこと、恋愛のことなどなど色々と悩む年代となってきている彼らのために、みんなでオープンに話すチャンスを作りましょうと、郊外へピクニックを企画しました。まずは、ちょっとしたゲームで体も心もリラックス。そして、リラックスしたところで、ざっくばらんに「さて、病気のこと、友達のこと、学校のこと、家族のこと、何か話したいなってことはないかな?」と始めました。恥ずかしがってあまり話さないかな・・・と思っていたのですが、驚くほどに出てきましたよ。また、カンボジア人スタッフの進行もとても良かったです。この企画に参加した子の中には10年以上もAHCへ通っている子もいます。スタッフともすっかり信頼関係が築かれているので、うまくいったのでしょう。
kazu110408.jpg誰かに言いたかったことがいっぱいだったようです。kazu110409.jpgまずは、アイスブレーキングで気楽な気分に!
参加者の中には、今年中に結婚する子、そして、看護師になりたいと地方の看護学校へ通うためにお引っ越しをする子がいます。AHCからの卒業生です。スタッフの成長を見て“びっくり嬉し”かったり、子どもたちが旅立って行くことにちょっと寂しかったり・・・なんだかとっても感慨深いです。自分の子どものことのように感じます。


kazu110410.jpgAHCのミッションの一つは医療従事者の教育です。今月もAHCスタッフのお勉強のチャンスがありました。シン・ヘング医師がシンガポールの外務省より小児血液疾患、悪性疾患の研修に招待されたのです。
研修中は小児悪性疾患のマネージメントについてたくさんのことを学びました。この経験が今後AHCにおいて白血病をはじめとする悪性疾患を持つ子どもたちの治療を可能にする第一歩となりそうです。ヘング医師は、研修で学んだことをAHCスタッフへ教えるための計画を立て始めたところです。楽しみです。


大変悲しいお知らせです。AHCに長年に渡り貢献をしてくださったジーン・トラガス医師がご逝去されました。
ジーン医師は、院内において彼のこれまでの外科医としての貴重な経験を、また内科診療においても多くの知識をカンボジア人スタッフへ丁寧に手ほどきしてくださいました。kazu110412.jpg 写真:新人医師へ縫合の手ほどきをするジーン医師
AHCスタッフでジーン医師から学ばなかったものは一人としていません。
また、ジーン医師は、10年以上もフレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーの理事として毎年さまざまな資金集めにも関わってくださり、院内の各プログラムの改善にご尽力くださいました。AHCのみならずカンボジア国内のヘルスケア改善に多大なる貢献があったと確信しています。
ジーン医師の時々ジョークを交えたお話しぶりが思い出されます。これからも永遠にAHCスタッフの“師”として、忘れられることはないでしょう。


kazu110411.jpg先月のこの紙面では日本の大災害に病院スタッフからのメッセージを特別号としてお送りしました。その中で院内でも募金活動をしていることをお伝えしましたが、私の一時帰国の際、集まった募金を事務局へ届けました。
私がカンボジアを発った直後に、「更に募金が集まったので後日受け取って欲しい」というメールが届き、事務局スタッフと共に、「嬉しいね・・・」と日本とカンボジアのつながりを改めて感じました。
集まった募金は、カンボジアでも活動され、また被災地でも保健医療支援を展開されている(認定)特定非営利活動法人 シェア=国際保健協力市民の会へ送金いたしました。
少しずつ元気を取り戻しつつある被災地の様子が間接的にですが耳に入ってきます。長い道のりになるかもしれませんが、世界中のサポートがあることが1日でも早い復興につながると信じています。


kazu110413.jpg4月はカンボジアのお正月です。毎年この紙面でお知らせしていることなのですが、やっぱり、このお飾りは皆さんにお見せしたくて掲載してしまいました。これは階下に住む大家さんの立派なお飾りで、我が家はもっと質素倹約タイプのものなのでお見せするのが恥ずかしい。かなりキラキラしているのですよ。夜になると、電飾の星のお飾りをクリスマスツリーのように点滅させたりします。
今年の新年は4月14日午後1時12分。毎年変わる新年の時間ですが、それに合わせてお飾りや魔よけダンサーも準備するというのが恒例です。・・・でも、これまで夜中に新年が来たことがないな・・・とふと思ったのですが・・・気のせいでしょうか?明日、病院スタッフに追及してみます。

アンコール小児病院
赤尾和美

2・3月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「カンボジアからの応援 (2月、3月合併特別号) 」

今月は予定を変更し、“東日本大震災”を受けられた日本の皆さんへアンコール小児病院から届いたお見舞いの言葉をお送りいたします。
また「日頃お世話になっている日本の皆さんの力になりたい。」と、スタッフが募金活動を院内で始めました。

アンコール小児病院 ビル院長よりのメッセージ

最近、小林一茶の俳句を学ぶ機会がありました。kazu110201.jpg
「露の世は露の世ながらさりながら。」 
この俳句は、世は露のようにはかないものだと知ってはいても、それでもやはりあきらめきれない。この世がうらめしい(長女のさとが疱瘡で死んだ時に詠んだ句)という、切ない気持を仏教の教えに従って、鎮めようとの心情が伝わってきます。

莫大な被害を受けた日本の東日本大震災の災害を目にし、この俳句がふと頭に浮かんできました。多くの死や怪我、家屋や愛する人や物を失ってしまったことの心の痛みから回復するには、相当の長い時間が必要でしょう。

AHCは、多くの日本の皆様のご支援と暖かいお心により支えられて、現在まで多くのカンボジアの子どもたちを助けることができました。災害で受けられた皆さんの悲しみを少しでも分かち合うことで、軽減することができたらと心から望んでいます。私達も多くの命が亡くなり苦しんでいる報道を目にするたびに、とても辛い気持ちです。この私達の皆さんを思う気持ちをFWABジャパンの会員の皆様、その他のご支援者の皆様へお届けしたいと思います。

AHCスタッフは、これまでの長きにわたる日本の皆さんからのご声援、ご支援に心から感謝する共に、この度の災害に対し、私達は遠くカンボジアにおり、無力を感じますが、いつも皆さんを応援している気持ちをお伝えしたいと思っています。

ビル・ハウスワース
アンコール小児病院院長



kazu110202.jpg募金活動を手伝ってくれたスタッフ アンコール小児病院は開院以前から、日本からのたくさんの皆さんに支えられて、今日までやってくることができました。そのことを十分知りつくしているカンボジア人スタッフたちは、今回の震災ニュースに胸を痛めております。

そして、これまでの感謝の気持ちと今後の皆さんの復興が一日でも早く実現するようにと募金活動を始めてくれました。「私達からできることはほんの少しだけれど・・」と言っていましたが、決して楽ではない生活費の中から“少しでも・・・”と出してくれていることに、日本人としてとても感謝しました。合計36,943円ものお金が集まりました。今回、その集まった募金をFWAB ジャパンオフィスへ引き渡し、JANIC経由で被災地へ送り届けることになりました。カンボジア人スタッフの暖かい心が現地へ早く届けばいいなと思います。

海を越えて遠く離れているけれども、これまでの12年間のつながりはずっと繋がっていると感じています。そして、これからも繋がっていけると感じました。



地域医療支援・保健教育プログラム(CBHEP)とAHCの教育プログラムは、日本からの支援をたくさん受けてきました。その分、尚更日本を近く感じているのかもしれませんね。今回の震災後、とても心配し、何度も私に様子を聞きに来ました。
kazu110204.jpgCBHEPスタッフkazu110203.jpg教育プログラムスタッフ
地震国の日本人でさえ今回の震災は想定をはるかに超えたものでした。ポル・ポトの大虐殺を経験している彼らも心に大きな傷を負っているはずです。その彼らが、「ポル・ポトより残酷なことが起きてしまった・・・。あの大虐殺は人間がしたこと。今回の災害は自然の力。抵抗のしようがない・・・」と悲しい顔をして話していました。



kazu110205.jpg日本語の勉強をし、日本人観光客のツアーガイドをしていたこともあるフレンズ・センタースタッフのオマには、特別に日本に対しての思い入れがあるようです。自筆で、メッセージを書きたいと以下のメッセージを寄せてくれました。kazu110206.jpg



kazu110207.jpg震災が発生した時には、院外研修へ行っていました。信じられないようなことが母国で起きていたことを全く知らずに・・・。同じ研修に参加していたアメリカ人から、「日本が大変なことになっている」と聞き、急いで家族へ連絡を取り始めましたが、繋がりませんでした。一体どうなってしまっているのか・・・と不安な気持ちで連絡を取り続け、やっと声が聞けたのは、夜遅くになってからでした。
その後に入ってくる報道に、気が気ではありません。今でも毎日被災地の状況が映し出され、寒さの中、厳しい避難生活を強いられている方々の心痛は計りしれず、遠く離れた地で無力を感じます。そんな気持ちでいる時に、「今度は私達が日本の皆さんに御恩返しをする番だ」とスタッフたちが動き出してくれたこと、日本人の一人として、嬉しい気持ちになりました。
カンボジアからもみんなが応援しています。1日も早い復興、そして、平穏な生活が皆さんの元に戻ってくることを私も待ちわびています。明日から日本です。そこで、また新たな事実を知ることになるのかもと不安な気持ちでいます。

前代未聞の災害が起きてしまいました。いつも支援をしてくださっている日本の方々に降りかかってしまった大災害に、カンボジア人スタッフも他人事とはとても思えないようです。辛い経験をしている彼らだからこそ、尚更、実感するのだと思います。
カンボジアからの応援、被災地の皆さんへ届きますように・・・。

アンコール小児病院
赤尾和美

1月の出来事

赤尾和美アンコール小児病院看護師 「1月の出来事」

今月は、AHCの12周年記念式典、AHCへ来た患者さんの話題を中心にお伝えします。

アンコール小児病院は今年で12年目を迎えました。その記念式典が29日に多くのお客様をお迎えして行われました。日本からも社会医療法人財団 池友会の関連病院より50名もの支援者の皆さんがご参加下さいました。
院長始め写真の皆さんからのスピーチには、12年を迎えることができた感慨の気持ちが込められていました。また、ここに至るには、AHC創立以前からご支援をいただいている蒲池FWABジャパン前理事長のお力がなくしてはあり得なかったことが、感謝の言葉として述べられました。
ピエクトラ医師もカンボジア人代表として、立派なスピーチを披露してくれました。堂々としたその風格を見ながら、12年前の彼の姿がふと頭に浮かび、わが子の成長を喜ぶ親のような気持ちになってしまいました。
kazu110101.jpg医療部長のピエクトラ医師kazu110103.jpgビル・ハウスワース院長kazu110102.jpg蒲池真澄 FWABジャパン 前理事長kazu110105.jpgクリス・ヘスト FWAB USA 最高責任者 kazu110104.jpgデビッド・プリチャード FWAB USA 理事長

病院の記念式典では、毎年10年勤続を迎えたスタッフの表彰も行っています。今年の10年選手は、21名。「こんなに頑張ってくれたスタッフがいたんだな~」と、彼らの入職当時の様子を思い出しては、その成長の素晴らしさに一人感慨にふけってしまいました。
表彰は一人ずつ名前を呼ばれ、表彰状とボーナスを受け取るために、みんなしっかりおめかししてきます。この晴れの舞台ですから、男性はネクタイを、女性はカンボジアの伝統正装を新調して臨みます。その表彰を見ながら「来年は、僕も10年だ!」と意欲満々に話している声が後ろから聞こえてきました。
子どもの命を守ることに誠心誠意努めあげて来てくれた彼らがいるからこそ、今のAHCの評判を獲得することができたのだと、確信しました。

kazu110106.jpg勤続10年を迎えたスタッフ
kazu110108.jpg表彰状とボーナス授与です
kazu110107.jpgやんちゃボーイズも10年勤続です


kazu110109.jpg4か月の男の子、Bちゃんは、AHCから約90キロ離れたコンポントム州に住んでいます。Bちゃんは、体調を崩し、ある病院に8日間入院し治療を受けました。しかし、退院後も発熱、咳、呼吸困難、下痢に食欲不振が続き、Bちゃんのお母さんは、AHCへ来ることを決断しました。しかし、90キロの道のりを乗り合いタクシーでやってくるには、30,000リエル(約620円)の交通費がかかります。貧しいBちゃんの家庭では、そのお金がなく、親戚から借金をしてやって来たのです。

AHCの救急外来に到着後、すぐに肺炎、脱水、胃腸炎の診断が出され、緊急入院となりました。適切な治療とケアが提供され、この度無事退院の運びとなりました。AHCへ来るために借金をしてしまい、更に入院中にお金がかかるのでは・・・と心配してきたお母さんですが、病院からは食材の提供、安全な水の確保や帰るための交通費の支給もあり、ホッと安心したようです。
すっかり元気になったBちゃんを抱え、嬉しそうにしているお母さんとお父さんを見て、AHCスタッフの顔にも笑顔が見られました。
体を治すだけではない心のこもった医療を常に提供することを目指し、これからもがんばっていきます。


kazu110110.jpg先月に引き続き社会医療法人財団 池友会の福岡和白病院とその関連病院から研修医の皆さんが訪れ、孤児院の検診のお手伝いをしてくださいました。・・・となぜか、今回のグループの皆さんの働いている写真がなく、カンボジア人スタッフとの交流場面ばかりでした。ふふ。ごめんなさい!しっかり働いていただいたのに。
研修を通して、カンボジア人スタッフと仲良くなり、皆さんの支援が届いているところをより理解していただけるのは、何よりですね。これからもよろしくお願いいたします。


病院の前では、病院へ来ている子どもたちのおやつになるような屋台が色々なものを売っています。そのいくつかを今月はご紹介します。
kazu110113.jpgkazu110112.jpgkazu110111.jpg
一番左は、お芋を蒸かして潰したものを炭で焼いたドムロン アン。甘くてほくほくして香ばしいのでついつい食べ過ぎてしまいます。1個200リエル(約5円)です。真中がサトウキビジュースの タック アンパウ。サトウキビを機械で絞り仕上げにオレンジを少し絞って香り付けをすることもあります。小さなビニール袋へ入れてくれて、ストローでチューチューします。暑い日差しの下で飲むと一層美味しいです。一袋(300ccくらい入っているかと思います)500リエル(約12円)です。
右がモンキーバナナを焼いた チェイ アンです。 「バナナを焼く?美味しいのかな??」と思われるかと思いますが、これが美味しい!焼くとむっちりとしたお芋のような食感で、バナナの甘酸っぱさと香ばしさがお口に広がります。細いねぎが入ったココナツミルクをつけながら焼くので、これまたいい香りなのですよ。人工的な味のしない、みんな素材を生かしたおやつです。体にもいいですよね。この他にもたくさんの“屋台おやつ”がありますので、追々ご紹介いたします。


2011年最初の“出来事”でした。新しい年の始まりと記念式典が同じ月にあり、みんな心機一転仕事に取り組んでいます。今年も色々なことが起こる予感が既にしています。皆さんのご支援が現地できちんと形になっていることをできるだけたくさんお伝えし、現地を身近に感じていただけるよう今年も頑張りますので、よろしくお願いいたします。                                                 

                                         アンコール小児病院
赤尾和美

2010年 12月の出来事


赤尾和美アンコール小児病院看護師 「12月の出来事」

今月は、AHCへ来た患者さん、日本からの研修医の皆さん、世界エイズデー、
恒例になったアンコールマラソンの話題を中心にお伝えします。


kazu101201.jpgこんなひどいことがあるのですね。
AHCへ来た女の子のAちゃんは、ご両親をなくしてある家族に5歳の時から引き取られて育ちました。現在、10歳。Aちゃんは、性行為感染症にかかっていて、他の病院からAHCを紹介されての受診となりました。これは詳細を聞かなくてはと、ソーシャルワーカーとカウンセラーが、個別に静かにお話を聞くことになりました。

これまで誰にも話したことはなかった(話したくなかった)ことだったのは、十分理解します。それを抱えていることもとても辛いことだったと思います。ゆっくりと時間をかけてお話した結果、やっと重たい口を開いて少しずつ話してくれたのは、「4年くらい前に1度だけ12歳の少年からレイプを受けたらしい・・・よく覚えていない。目が覚めたら裸になっていた」ということでした。
その少年による性的虐待があったのかもしれませんが、どう考えても農村部に住む12歳の少年が性行為感染症を持っていてAちゃんに移したといういよりは、実際には、他にも性的虐待をそれも何度も与えた人物がいたのではないかと思われて仕方がないのです。

彼女は、HIVにも感染しています。これは養母からのお話で実のお母さんから感染したものと思われ、これまでにも頻繁に色々な病気にかかってきました。今回の性行為感染症の症状は、何年も存在しており、また日に日に悪化してきました。そして、もうどうにもならないと、養母さんに打ち明けたというわけです。
体の調子が悪いというのはとてもストレスです。そして、性的虐待を受けたことを心の中に封印し、誰にも言えずにいたAちゃんの気持ちを思うと、たまりません。もし現在も性的虐待を受けているとしたら、と、シェルターのような場所への一時避難もひとつのアイデアとして提供したのですが、Aちゃんは、この養母さんとどうしても離れたくないと涙を流しました。養母さんとも話し合い、Aちゃんが安全に心地よく過ごせる環境を作ってもらうようお願いしました。

養母さんも夫が新しい奥さんを見つけ出て行ってしまい、決して楽ではない生活の中、どこまでAちゃんを守っていけるのか多少の不安が残りますが、定期的にフォローアップをして、養母さんに託すしかないのかと結論に達しました。
何年も放置された性行為感染症です。治療にも時間がかかりそうです。伏し目がちなAちゃんが本当に心から笑える日が来るように、できる限りのことをしてあげたいと思います。



今年も、社会医療法人財団 池友会の福岡和白病院とその関連病院から研修医の皆さんが訪れ、アンコール小児病院での研修が始まりました。
学校検診では、言葉の壁はあるのですが、身振り手振りで、一生懸命頑張ってくださいました。普段の検診よりも疲労感は多かったかもしれませんね。
kazu101203.jpg言葉の壁もなんのその!kazu101202.jpg学校検診で張り切っていただきました。
でも、こうして違う文化にふれ合うということは、彼らの今後の人生にもどこかで役に立つのではないかと信じています。
そして、診てもらったカンボジアの子ども達も、きっとこの経験を忘れずにいることと思います。




kazu101204.jpg12月1日は世界エイズデーです。AHCには、HIV感染症の患者さんのためのプログラムがあります。治療、ケアはもちろんのこと、訪問看護、そして、感染者同士の教育プロジェクト、感染者の雇用促進など、様々な活動を展開しています。

世界エイズデーは、その啓蒙のために作られた日で、赤いリボンが象徴となっています。12月1日は、AHCのHIVプログラムで働くスタッフもその意識を示すために、みんなで赤いリボンを胸にお仕事です。
プログラムでは、ティーンエイジャーのボランティアもアクティブに働いてくれるようになり、昨年から更にパワーアップしているところです。

AHCには、600名を超すHIV感染症の患者さんが定期的に通って来ています。HIV感染症であるだけで、家庭の中では様々な負担が生じます。病院へ定期的に通わなければならないことや、病気になり仕事に出ることができずに収入が更に減ってしまうこと、未だある感染症に対する差別により住む場所を失ってしまうケースもあること等々、経済面、精神面、家族のサポート体制、周囲の理解など、多くの面で問題を抱えている家族は少なくありません。
これからも、その負担を少しでも軽減させられるような方向性でプログラムを充実させていけたらいいなと思っています。



12月は毎年恒例のアンコールマラソンがありました。有森裕子さんが代表を務めるハート オブ ゴールドが主催して既に今年で15回目です。大会の主旨として地雷の製造・使用の禁止を訴え、その主旨に賛同してくれたランナー達が集うものとなっています。また、エントリー費用や、その他の寄付は、義肢・義足作成、地雷被害者の社会復帰、また、HIV予防教育活動に使われるそうです。車いす部門もあり、カンボジアならではの大会風景ですね。
kazu101205.jpgまだ暗いうちから集合して張り切っているAHCスタッフkazu101207.jpg車いす部門のスタート間近・・緊張ですね。kazu101206.jpgコメディアンの猫ひろしさん(赤シャツ・青パンツ)も参加し、3位入賞!
毎年盛況なこの大会ですが、今年はこれまで最高の53カ国、4,000名以上の方が参加されたそうです。AHCも毎年、救護班として主催者側へのボランティア、また、実際のランナーとして参加しています。人気の高いこの大会に、今年も100名近いAHCスタッフがエントリーしました。みんな日頃から鍛えているわけではないのですが、「楽しみたい!」と多くのスタッフが毎年参加しています。
今後もこうしたイベントに積極的に参加し、カンボジア人自身が自国を盛り上げて行ってくれたらいいなと思います。



kazu101208.jpgアンコールハーフマラソンにも参加された猫ひろしさんが、1月に開催される湘南国際マラソンで、アンコール小児病院の寄付を集めるために走ってくださることになりました!
そこで、AHC院長から感謝状をお贈りするために、AHCへいらしていただきました。
この写真を含めて数枚写真を撮らせていただきましたが、その度に「にゃ~」というので、院長が真剣に「なぜ、“にゃ~”と言うの?」と尋ねてきました。理由を話すとかなり受けていましたよ。

ハーフマラソンでは力強い走りで3位に入賞された猫さんですが、疲労の色は全くなく、元気はつらつ。そして、とても穏やかな物腰に、ファンになってしまいました。
1月も頑張ってください!!




あるネットワークを通じしてお知り合いになった方が、AHCのためにチャリティークリスマスパーティーを開催してくださいました。そのパーティーでのオークションの売り上げ(7万8千200円!!!)の全てがAHCへ寄付されました。
オークションの品物は参加者がそれぞれ持ち寄ってくださったもので、漆器やゴルフボールなどとても高価なもあるネットワークを通じしてお知り合いになった方が、AHCのためにチャリティークリスマスパーティーを開催してくださいました。そのパーティーでのオークションの売り上げ(7万8千200円!!!)の全てがAHCへ寄付されました。
kazu101209.jpg威勢のいい声が飛び交いました。kazu101210.jpg寄付金は、そのままAHC広報部長へ渡しました!
オークションの品物は参加者がそれぞれ持ち寄ってくださったもので、漆器やゴルフボールなどとても高価なものもたくさんありました。皆さん大きな声で「200円!」「500円!」とどんどん値が上がり、とても盛り上がりました。
パーティー会場では、色々な経歴をお持ちの方々にお会いすることができ、興味深いお話をたくさんうかがうことができました。
寄付金はAHCへ持ち帰り、広報部長へ直接渡しました。


2010年最後の12月の出来事でした。2010年もあっという間に終わってしまいました。早いですね。2011年は、またどんなことが起きるのかハラハラドキドキです。今年より前進、そして、楽しい1年にしたいと思います。
2011年もアンコール小児病院をよろしくお願いします。

                                         アンコール小児病院
赤尾和美

11月の出来事


赤尾和美アンコール小児病院看護師 「11月の出来事」

今月は、AHCへ来た患者さんや日本からのご支援の話題を中心にお伝えします


AHCには、日本からのご支援が毎年たくさん届いています。
広島にある中山身語正宗の法瀧寺では、ご同行の皆さんが持ち寄った品物で大掛かりなチャリティーバザーを毎年開催し、世界各国へその売り上げを寄付されています。AHCも毎年、ご支援をいただいていたのにも関わらず、このバザーに参加したことがありませんでした。そこで、今回は、日頃の感謝の気持ちを直接お伝えしたく、バザーに参加してきました。
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お話には聞いていましたが、その規模に、まずびっくり。400〜500名は入るかというスペースに、日用雑貨、食品、衣類などなど、もう目移りしてしまうほどの品物が所狭しと陳列されており、開始の合図とともにそれぞれが大きなビニール袋の中に意中の品物を次々と入れて購入されていました。私もつい購入意欲を刺激され、大袋を抱え右往左往。どうせ購入するならここで購入し、多くの方々のために貢献したいと、中には9万円以上のお買い物をされている方もいらっしゃいました。
お買い物をしながらたくさんの方と直接お話をさせていただき、お礼を伝えることができたことは、私にとっては大きな収穫でした。改めて「皆さん、いつもありがとうございます!」その皆さんのお気持ち決して無駄にはいたしません。



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AHCには、リハビリテーションのためにフィジカルセラピスト(PT)が3名働いています。リハビリテーションというと、手足の運動ばかりかと思いがちですが、肺炎や脳性まひなどで呼吸が上手にできない患者さんの呼吸運動や、嚥下運動に支障をきたしている患者さんの食物摂取の改善のためにも大きく貢献しています。呼吸障害も嚥下障害もどちらも命に関わる状況を作りかねないからです。
ドイツからの大きな支援をいただき、まず一人のPTを雇用。そして、指導者として、ドイツからのPTが常駐し、熱心な指導を行ってくださったおかげで、今や、AHCのリハビリは、3名のPTを抱える独立した部門へと成長しました。先日完成したリハビリ室もその大きな成果だと思います。
PTの活動は、院内にとどまらず、訪問看護チームとの連携により家庭へも赴きます。リハビリテーションの必要性を家族へ説明し、居住環境、家族のモチベーションなどのアセスメントをし、継続的にリハビリが提供される環境を作るように頑張っています。リハビリテーションは、患者さん、家族、そして、スタッフが一体となって根気よく行っていかなければなりません。しかし、患者さん家庭の多くは、毎日の生活に追われて食べるものの確保に必死な状況で、また、体が動かない子どもを抱えての暮らしが、大きな負担となっているのは事実です。じっくりと時間をかけて継続的にリハビリを行うことは容易ではないでしょう。そんな中でも、家族に寄り添い、諦めずに必死に日々の業務を確実にこなしてくれている姿には、頭が下がる思いです。
今後も更なる成長を見せてくれることと思います。そして、多くの子ども達と家族に笑顔をもたらしてくれるでしょうね。



武蔵野美術大学の学生さんが健康をトピックに取り上げた教育教材として、かるたを作ってくださいました。かるたの遊び方も知らない子ども達でしたが、30分もすると、「きゃー!」「取った~!」と大はしゃぎで遊んでいました。どこの国も子ども達が遊びを覚えるのは早いですね。
遊びながらお勉強もできるというのは一石二鳥。こういう教材が不足しているカンボジアでは、とても貴重です。これからもこのような教材がたくさんできるといいなと思っています。
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1歳9カ月のRちゃんは、兎唇口蓋裂を持って生まれました。兎唇口蓋裂は、胎児が子宮の中で頭部や顔を少しずつ形作っていく段階において、正中の部分がしっかりと融合せずに唇や口蓋が割れたままの状態で誕生してしまった病態です。この治療は、生後2〜3か月、通常1歳のお誕生日を迎える前までに外科的に手術をすることが適応となっています。
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Rちゃんは既に1歳9カ月で、手術をするべき時期を随分と過ぎています。AHCへ来る前には、ポイペット(シェムリアップより150キロ)の村に住んでおり、近所の個人開業しているクリニックへ診察へも行ったことがありましたが、特に処置をされることなく、時間ばかりが過ぎて行きました。AHCではこういった患者さんがたくさん手術の順番を待っている状況ですので、Rちゃんも初めてAHCへ来てから7か月間もその日を待ち続けていたのです。その間には、重症な呼吸困難を起こしたり、母乳を飲むことも食べることにも困難が生じ、また言葉の発達へも大きな影響を与えていました。ご家族の心配は常に着いて回っていたことでしょう。
やっと手術を終えることができたのは11月28日。術後は食べることも話すことも他の子達と同様にできるようになりました。どれだけ、ご家族の負担が減ったことでしょうね。
AHCのスタッフは、こうしたご家族の喜ぶ顔にいつも励まされ、更なるサービスの向上に努めたいと思っています。

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AHCの4名の看護師(男性4名)がタイでの4カ月の長期研修を終了しました。昨年も同じ研修へスタッフを送っていますが、今年もアボット社によるご支援により継続的に研修参加が可能となりました。
研修では、カンボジア国内で活用される小児科の重症者看護に関する新しい情報や技術をたくさん学ぶ機会となったようです。
この研修を実現させてくださったアボット社には心から感謝いたします。
また、この素晴らしい研修に、今後も継続的にAHCスタッフを送り込めることを期待しています。



季節のお話をひとつ。

kazu101109.jpg10月の出来事で、お米の収穫の話題を載せましたが、階下に住む大家さん宅でも、収穫したお米を日干ししていました。4〜5トンの収穫だそうで、毎年私にもお裾分けが来るのを密かに楽しみにしているのです。炊きたてのホカホカは、日本のご飯に負けないくらいおいしいです。特に私は、この新米の玄米が好きです。しかし、最近では、全て機械で精米し白米にしてしまうところが多いため、玄米を手に入れるのは難しく、また高価なものになっています。
幸い私にはとっても優しい友人がおりまして、早速、新米の玄米を届けてくれました!思わず、にっこり。

カンボジア米は、独特の香りを持ちますが(それが臭いと嫌がる方もいるのですが…私はそれが大好き)、玄米になると一層、その香りが引きたちます。玄米のおいしさは、香りと、噛んだときに“こつこつ”するような、あの感触ですね。
さて、この美味しいお米と合うカンボジア料理を考えましょう。




11月の出来事でした。
カンボジアでは、雨期の終わりを祝う水祭りが開催され、その開催地で多くの観衆が押しつぶされるという大惨事が発生してしまいました。多くの方が命を落としてしまう結果となり、楽しいはずのお祭りが、大変悲しい出来事になってしまいました。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、もう二度と同じようなことが繰り返されないことを心から望みます。      

アンコール小児病院
赤尾和美

10月の出来事


赤尾和美アンコール小児病院看護師 「10月の出来事」

今月は、AHCの眼科へ来た患者さんや院内の教育プログラム、
ボランティアさんの話題を中心にお伝えします。


AHCでは、2002年から眼科を設置し、毎月500名にも上る患者さんを診察しています。
おもな疾患は感染症と外傷で、月平均12名の眼科疾患の入院患者さんがおり、30例の手術をこなしています。院内の治療やケアに加えて、視力検査のスクリーニングのために学校訪問もしています。
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ある11歳の男の子(K君)には、生まれつきの目の異常がありました。
右目は小さく視力はなく、左目は奇形。K君のご両親はその異常に気づいてはいても、それに対してどうにかしようとは思いませんでした。また、治療を受けられるということすら、知らなかったのかもしれません。
しかし、AHCの支援者でもあるフレデリック氏がK君を見つけ、AHCへ連れて来たのでした。
AHCの眼科医 パラ医師は、すぐに手術の予定を入れ、ご両親へ説明の後、手術予定日に再診するように一度帰宅させました。しかし、その再診日になってもK君は来ませんでした。ご両親が拒否していたのです。
眼科チームは、K君の家を訪れご両親を説得することとしました。
長い説得の後、K君はご両親によって連れて来られ、無事に手術を受けることができました。
術後K君の目は、全く別世界にK君を導いたようです。読み書きには十分な視力を取り戻し、教室で黒板に張り付いて板書を見なくてもよいし、TVだって、普通に観ることができるようになりました。
K君とご両親、そして、フィレデリック氏は、改めてAHCへK君を連れてきてよかったと思ったようです。



kazu101003.jpgカンボジアでは、未だ男女の地位的格差はとても大きいと感じます。 
日本のひと昔前と同様、カンボジアでは、伝統的に女性は家庭の仕事と子供の世話をし、時には、家計を支えるための仕事をしたりします。
また、男性は家長として家族を養うということになっています。
政府によって女性への地位向上のための働きかけがなされ、その社会形態へ多少の影響を与えているとはいうものの、更なる女性への応援は必須です。
そんな中、院内では、男性が子供の世話に関わる様子を垣間見ることが多くなってきたように感じます。

軍の兵士として勤務するあるお父さん。息子の病気が緊急事態に及び、病院へ行かなければならない時に、長い道のりを、奥さん一人に病んだ子供を抱えて行かせるのはあまりにも酷だと、お父さん自身がAHCへ息子を連れて来たのです。
単純なことのように思えますが、ここカンボジアではよくあることではありません。
多くの場合、子供の世話はどんなことがあっても全て女性の肩に掛っているのです。
最近になってやっと男性と女性が同じ仕事に従事していることを目にしたり、女性が忙しい時には、男性が子供の世話をし、家事の手伝いをしたりするようになってきています。
AHCでは、男女が様々な部署において様々なポジションで仕事に就いています。
家族のためにこれまでの伝統を打ち破り家族を守って行こうとする男性に、心から感謝です。この傾向が家族全体へ更に貢献してくれることを望んで止みません。



kazu101004.jpgAHCのことを少しでも多くの方に知っていただこうと、多くの観光客が利用しているホテルへ呼び掛け、AHCの広報活動のパートナーとなっていただくようアプローチを展開してきました。
その結果、その中でも一流と言われるホテル、アンコール・パレス・リゾート&スパ、ボレイアンコール、ビクトリア・アンコール・リゾート&スパ、ホテル・デ・ラペ、そしてラッフルズ・グラントホテル・アンコールが、これまでに広報協力をしてくださっています。

これらのホテルでは、無料でAHCの活動を紹介する写真展示もスペースを2-3か月提供していただきました。
宿泊されたお客様が展示をご覧になり、更にAHCに興味を持っていただければ、院内に設置されている訪問者対応のための施設フレンズセンターへ足を向けていただき、より詳しくAHCのことを知っていただくことができます。
そして、この度、一流ホテルであるソフィテルが所有するホーケトラ・カントリークラブが、AHCの写真展を継続的に行ってくださることとなりました。
(ホーケトラ・カントリークラブに関する情報www.phokeethragolf.com
地元からのご支援はとても難しいとされてきたこれまでですが、少しずつAHCの活動が地元へも認められてきていると感謝の気持ちでいっぱいです。



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カンボジアでは、認定看護師という制度が政府においてもプライベートセクションにおいても制定されていません。
その先駆けとして、AHCでは、看護師の教育と経験によって、その認定をしようという動きを始めました。
AHCの看護部は、AHCで働くある基準以上の技術と知識を持ち合わせた看護師に対して、小児看護認定看護師とすることを決めました。この認定は現在、AHC内のみでの認定となっていますが、将来的には正式に保健省からの認定となることを大いに期待しています。

AHCにおける小児認定看護師(CPN)は、洗練された技術、リーダーシップ、そして、倫理を持ち合わせた看護師として認められたということになります。
この認定を受けるにあたっては、これまでの就業功績が良く、看護師では、2年以上の経験を持つフルタイムスタッフであること、また助産師は4年以上の経験を持つフルタイムスタッフであること、そして、AHCの小児看護認定プログラム2年課程を修了した者であることが条件です。
AHCの看護部はCPNの認定テストを年1回と設定し、今年は65名が受験し、49名が合格しました。
この最初のテストを行ったことにより、日頃の仕事に対する誠実さを多くの人に知ってもらうことができ、またカンボジアのケアの向上のために大きく役立つのではと今後が楽しみです。
こうした取り組みも、開院当初からAHCにおける治療やケアのスタンダード向上のためにご支援くださっている皆様がいなくては実現できなかったことと、感謝の気持ちでいっぱいです。この認定制度が今後のカンボジア国内のケアの向上に役立つことを強く願います。



kazu101007.jpgkazu101008.jpgkazu101009.jpg
今年も恒例、ヘアーボランティアさんが来てくださいました。
孤児院を回って、汗だく毛だらけになって頑張ってくださり、子供たちも大喜び。
子供たちが毎年とても楽しみにしているイベントのひとつです。
既に10年も続いているこのヘアーボランティア。10年前にはちっちゃな小学生だった子が、今や立派な高校生になっています。
毎年プロの技を見ながら「自分もやってみたいな・・・」と思っていた子もいたようで、写真右上はまさにそんな男の子。「やらせて・・」と近寄ってきて、切り方を簡単に教えてあげたら、なかなかの腕前です。
後からボランティアさんに聞いた話によれば、「切っている時の姿勢も、手際も筋がある」と好評でした。
こんなことがきっかけで、子供たちの将来の夢が広がればいいですよね。
気がつかない能力を自分で見出す良いチャンスになっているような気がしました。
ヘアーボランティアさん、暑い中、本当にありがとうございました。
そして、10年継続のボランティア活動が、子供たちに大きな影響を与えているということをお伝えしたいです。
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こちらも恒例、赤いしっぽの会(筆者をサポートしてくれている同窓生の会です)が、バザーで支援金を集めてくださいました。
地元で毎年行われるバザーに病院のパネルを出し、カンボジア製品を売り、その売り上げを寄付してくださいました。
バザー会場では、サンバも繰り出し、大盛り上がりだったそうです。
写真撮影者によれば、「そちらへ目が行ってしまい、肝心なバザーの写真があまりない・・」とのことでした。
無理もないですね、この素晴らしい肉体美を目の前にしたら。ふふふ。
仲間っていいですね。温かさと優しさを感じます。
これからも、ずっと大事にしたい仲間たちです。ありがとう!



kazu101013.jpg10月は雨期の終わり、そして、収穫の時でもあります。
雨期の始めには目にまぶしい緑だった稲が、黄金色に変わり、重たげに稲穂の頭を垂れています。
収穫の風景をあちらこちらで目にするようになりました。新米の季節ですね~。
カンボジアもご飯のおいしい季節になりました。
雨期が終わってしまうのは寂しいけど、美味しい新米をたくさん食べられるのは嬉しいです。
カンボジアにはご飯に合う食べ物がたくさんあるんですよ。
食欲の乾期・・・といったところでしょうか。



10月の出来事でした。
大変遅くなってしまいましたことを、まずはお詫びいたします。
随分と季節外れな話をしているな・・などとおっしゃらずに、見てください。
11月の出来事のネタもすでにたくさんあり、どれを掲載しようか悩み始めています。

アンコール小児病院
赤尾和美


image001.gifJustGiving Japan


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